アベノミクスの効果とは言い難くも円安など好条件が重なり景気が上向きつつある経済の中、中小零 細企業は人材を集めることが更に難しくなっています。「仕事はあるのに。人材さえいれば...」という経 営者の発言もよく耳にします。人材は経営資源であり、人材が充足しているかどうかもその会社の実力 であると言えます。ましてや我々のように外装リフォーム事業を経営している会社の大多数は零細企業で す。人・物・金・情報という経営資源だけではなく会社のブランド力、すなわち魅力も不足しているのです。 そんな中で人材を集めることは至難の業なのです。 即戦力者など、誰もが欲しがる人材がその様な魅力の足りない零細企業に来てくれることは考えにくく、 仮に採用できたとしても、それは交通事故に遭遇したようなものなので期待はしない方が賢明でしょう。 どうしても採用したい場合は報酬などの待遇面を最大限高めるか、三顧の礼をもってして誠心誠意口説 くしかないのです。中小零細企業とは、常に足りないものがある中で何とか上手く経営していくことが当 たり前なのです。人材においてもパーフェクトな人などは存在せず、何か足りない部分があったとしても、 それぞれが必ず持つ個性や得意分野を見つけて活用してあげることが大切です。どんな人材でも使い手 の能力次第で活きてくるものなのです。
零細企業を事業化していく秘訣は人材投資
事業経営において一番重要な目的は「継続する」ことです。法人を立ち上げ、ただ短期間だけ経営す ることは誰にでもできます。しかし、長期間継続的に経営していくためには献身的に会社を支えてくれる 沢山の人材が必要になります。零細企業を上手く事業化していくための秘訣は人材投資であると言えま す。利益が出たからと言って不動産や金融商品に投資したところで何の役にも立ちません。常に新卒者 や未経験者を雇用し余剰人員を抱えながら時間をかけて少しずつ真心を込めて育てることが重要です。 即戦力者と違い、未経験から育ててもらった新卒社員などは恩義を感じ、経営者にやる気さえあれば会 社発展のために一緒に頑張ってくれるでしょう。
人材はかけがえのない財産
新卒社員は3年 以 内に30%が 退 職 するというデータもあります。未 経 験 者を雇 用し一 生 懸 命 育 て、 やっと仕事ができるようになってきた頃に退職などされては確かに辛いですが、そんな経験を繰り返しな がら、人材を見極める採用力の向上や人材が安心して定着できる会社の体制や仕組み作りを考えるよう になるのです。あくまでも社員は経営者のためにいるものではなく、社員が長期間満足して働ける仕事・ 環境づくりのために経営者がいるのです。なんの努力もせずにいい人材を採用しようと考える方がナンセ ンスなのです。最初は馬車馬のように努力し、利益が出たら無駄遣いせずに会社の未来のために人材投 資をするべきです。同じ志、同じ目的を持った社員が一人二人と増えるならば、他にはないかけがえの ない財産となることでしょう。 私は人材投資こそが最も有効な投資であると自信をもって何度でも説かせて頂きたいのです。