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外壁
2023年05月28日
サイディングの浮きは危険なサイン!原因や補修方法、費用相場について解説
Contents

住宅に使用されている外壁材にはさまざまな種類がありますが、中でも「サイディング」は日本の住宅の8割で採用されている主流の外壁材です。
ただ、サイディングは永続的に利用できるものではなく、経年劣化症状の一つとして反ったり浮いたりすることがあり、緊急性が高い劣化症状なので見つけたら速やかに対処することが重要です。
そこで今回は、サイディングの浮きが発生する原因やリスクについて解説したうえで、適切な対処法や予防策を解説していきます。
サイディングは経年劣化によって変形する

サイディングは住宅の外壁材の約8割のシェアを誇っており、工場生産で品質が安定している、デザインやカラーバリエーションが豊富であるほか、コストパフォーマンスが高いといった理由で人気があります。
サイディングの主な原料は、セメントと繊維であり厚みは12mm以上あるので頑丈そうなイメージがありますが、経年劣化によって浮きや反りなどの変形が発生することがあります。
住宅の外壁は定期的に外壁塗装を行なうことで状態を維持するのが一般的ですが、外壁塗装の耐用年数を過ぎたまま放置したり、クラックが生じている状態を放っておいたりすると浮きや反りといった劣化につながるケースがあるのです。
サイディングの変形は4つのパターンがある

変形による劣化症状は以下の4つのパターンに分けられ、ここではそれぞれの特徴について解説していきます。
- 反り
- 浮き
- ひび
- 割れ
反り

サイディングのデザインは種類が豊富で、なかには凹凸型で奥行きのあるデザインをしているものもありますが、基本的には平らな形状をしています。
横から見て一部分だけ反っている部分があると、反りが発生しているといえるでしょう。
横から見て一部分だけ反っている部分があると、反りが発生しているといえるでしょう。
浮き

外壁を横から見ると盛り上がっているように見える、出っ張っているように見えるというのは浮きが発生している可能性があります。
サイディング外壁は「サイディングボード」という板を貼り合わせており、一部のサイディングに浮きや反りが発生することで他のボードとの間に隙間が発生し、雨水が侵入する原因となります。
サイディング外壁は「サイディングボード」という板を貼り合わせており、一部のサイディングに浮きや反りが発生することで他のボードとの間に隙間が発生し、雨水が侵入する原因となります。
ひび(クラック)

外壁の劣化症状の一つにクラック、いわゆるひび割れが生じることもあります。
ひびといってもさまざまな種類があり、種類によって発生原因が異なるのですが、外壁の反りや浮きといった変形に耐えられなくなってひびが生じることもあります。
サイディングはビスなどの金具で固定されており、変形によって固定されている部分に力が加わり、それに耐えられなくなるとひび割れになるのです。
割れ

外壁にひびが生じたまま放置すると、さらに状態が悪化してサイディングボードが割れることもあります。
ボードの中央から真っ二つに割れるというよりも、ビスを打っているところにひびが生じ、そこから大きな割れにつながるケースが大半です。
サイディングの浮きが発生する原因

サイディング外壁で浮きや反りが発生する原因は主に2つです。
- 吸水による膨張
- シーリングの劣化
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説していきます。
吸水による膨張
サイディングはセメントを原料としており、セメントは吸水しやすいという特性があります。さらに、外壁は常に雨風や紫外線といった外的要因にさらされているため、外壁塗装によってサイディングをコーティングすることで、防水性を持たせて状態を維持しています。
しかし、外壁表面の塗装や塗膜も次第に劣化するため、防水性を失ったまま放置するとサイディングが湿気や雨水を吸収して膨張したり、晴れの日には乾燥して水分が蒸発して収縮したりして、変形につながるのです。
シーリングの劣化
サイディングは表面だけでなく、側面や裏側からも水分を吸収・蒸発します。サイディング外壁はサイディングボードを貼り合わせており、ボードの隙間から水が侵入しないようにシーリングで隙間を埋めています。
しかし、シーリングは外壁の中で最も劣化しやすい箇所であり、シーリングにひび割れなどが発生するとその隙間から雨水や湿気が進入し、結果的にサイディングの側面や裏側からも吸水して浮きや反りにつながるのです。
サイディングの浮きは危険な状態!放置するとどのようなリスクがある?

サイディングの浮きを見つけたら劣化していると判断できるものの、
「急いでメンテナンスする必要があるの?」
と疑問に感じる方もいるでしょう。
結論として、早急に対処する必要があります。
ここでは、サイディングの浮きはなぜ放置してはいけないのか、どのようなリスクがあるのかを解説します。
一度浮いたサイディングは元に戻せない
一度変形したサイディングは自然に元の形に戻ることはなく、さらにどんなに圧力をかけてもまっすぐの状態に戻せません。放置していると症状が悪化する一方となるため、早めに対処する必要があります。また、サイディングの浮きが深刻な場合、部分張り替えで補修するのが一般的です。ただ、サイディングは常に改良が行なわれているため、製造から10年を過ぎると全く同じものが見つからない可能性が高く、部分的に違う製品を施工することになるでしょう。
このように、放置すると状況が悪化する一方であることに加え、部分交換が必要になったときに同じ製品が手に入りにくくなることから、早めに対処する必要があります。
隙間から水が浸入する可能性がある
サイディングの浮きが発生すると、シーリングが剥がれたり、サイディングボードの間に隙間ができたりして、雨水が侵入する原因となります。外壁から雨水が侵入すると、室内に雨漏れを発生させるだけでなく、断熱材や柱などを腐らせて住宅そのものの寿命を縮めてしまう危険性があります。
サイディングの側面や裏側は防水性がない
サイディングが変形すると、裏側や側面に雨水が当たる状態となるので非常に危険です。というのも、サイディングは吸水しやすい特性があるのは先に解説した通りですが、裏側や側面はより吸水しやすい状態となっているからです。
表面は塗装がされていて防水性がありますが、裏側や側面は素地がむき出しのままなので表面よりも吸水しやすく、そこに湿気や雨水が当たるとどんどん水分を吸収してしまいます。二次被害を防ぐためにも早く対処するのがポイントといえるでしょう。
サイディングの浮きが発生したときの補修方法と費用相場

サイディングの浮きが発生した場合の対処法は以下の2つです。
- ビス打ち
- 部分張り替え
ここでは、症状ごとの最適な補修方法と、修理費用の相場を解説します。
また、サイディングが変形するのは外壁塗装の防水性が低下している証拠なので、補修を行なったうえで、併せて外壁塗装も行なうのが一般的です。
浮き具合が軽度の場合:ビス打ち
浮きの劣化症状のなかでも軽度の場合は、ビス打ちによる補修を行ないます。
目安としては、一部分が少し浮いている、手で押し戻せる程度なら、ビスで補修できる可能性が高いでしょう。
浮きが発生しているサイディングボードを釘やビスで固定し、そこから浸水しないようにシーリングを打ちます。さらに、シーリングを塗ったところが目立たないように、外壁材の色に近い塗料でタッチアップするのが一般的な流れです。
ビス打ちによる補修なら、一か所あたり1〜2万円が相場でしょう。ただし、2〜3階部分の外壁など足場が必要な場合はその分の費用がプラスされます。
目安としては、一部分が少し浮いている、手で押し戻せる程度なら、ビスで補修できる可能性が高いでしょう。
浮きが発生しているサイディングボードを釘やビスで固定し、そこから浸水しないようにシーリングを打ちます。さらに、シーリングを塗ったところが目立たないように、外壁材の色に近い塗料でタッチアップするのが一般的な流れです。
ビス打ちによる補修なら、一か所あたり1〜2万円が相場でしょう。ただし、2〜3階部分の外壁など足場が必要な場合はその分の費用がプラスされます。
浮き具合が重度の場合:部分張り替え
外壁の浮きが深刻な場合、張り替え工事が必要になります。変形しているサイディングボードを無理やりビスで固定しようとすると、割れて状況を悪化させる可能性があるからです。
浮いている部分の外壁材と周辺のシーリングをいったん剥がし、新品に交換します。費用は1枚(高さ455mm×幅3030mm)あたり5〜10万円が相場で、足場が必要な場合はその分の費用がプラスされます。
なお、サイディングは常にリニューアルされており、部分張り替えが必要になったときに全く同じ製品があるとは限りません。その場合、近いデザインのものを選ぶことになりますが、違和感のある見た目になりやすいのは懸念点といえるでしょう。
浮いている部分の外壁材と周辺のシーリングをいったん剥がし、新品に交換します。費用は1枚(高さ455mm×幅3030mm)あたり5〜10万円が相場で、足場が必要な場合はその分の費用がプラスされます。
なお、サイディングは常にリニューアルされており、部分張り替えが必要になったときに全く同じ製品があるとは限りません。その場合、近いデザインのものを選ぶことになりますが、違和感のある見た目になりやすいのは懸念点といえるでしょう。
サイディングの浮きを予防する方法

外壁の浮きが発生するのは、サイディングが水分を吸収してしまうのが主な原因なので、吸水するのを防止すれば浮きや反りといった変形が発生しにくくなります。
ここでは、サイディングの浮きを予防する具体的な対策を紹介します。
外壁塗装で防水性を維持する
サイディングは水を吸収しやすい素材ですが、外壁塗装を行なうことで防水性を保持しています。
しかし、外壁塗装自体も劣化するため、劣化したまま放置していると防水性がなくなり、サイディングに湿気や雨水がしみ込む原因となります。防水性が失われる前に再塗装を行なうことで、外壁そのものの寿命を長く維持することにつながります。
一般的な外壁塗装のメンテナンスは10年に一度が理想とされていますが、採用している外壁材や塗料の種類、周辺環境や立地などでも頻度が変わります。10年に一度というのは目安として考え、劣化症状が深刻化する前に再塗装を行ないましょう。
しかし、外壁塗装自体も劣化するため、劣化したまま放置していると防水性がなくなり、サイディングに湿気や雨水がしみ込む原因となります。防水性が失われる前に再塗装を行なうことで、外壁そのものの寿命を長く維持することにつながります。
一般的な外壁塗装のメンテナンスは10年に一度が理想とされていますが、採用している外壁材や塗料の種類、周辺環境や立地などでも頻度が変わります。10年に一度というのは目安として考え、劣化症状が深刻化する前に再塗装を行ないましょう。
こまめにシーリングのメンテナンスを行う
サイディングボードの隙間を埋めているシーリングは劣化しやすい部分であり、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生します。
シーリングは外壁塗装と同時にメンテナンスされるケースが多いものの、基本的には外壁塗装よりも早く劣化する箇所なので、こまめに状態をチェックし、少しでも劣化がみられるなら早めにメンテナンスしましょう。
シーリングは外壁塗装と同時にメンテナンスされるケースが多いものの、基本的には外壁塗装よりも早く劣化する箇所なので、こまめに状態をチェックし、少しでも劣化がみられるなら早めにメンテナンスしましょう。
まとめ
今回はサイディングの浮きについて解説しました。
サイディングは日本の住宅の8割で採用されている主流の外壁材ですが、水を吸収しやすい特性があり、外壁塗装を行なうことで防水性を保持しています。しかし、外壁塗装そのもの、もしくはシーリングが劣化すると表面や側面から水分を吸収するようになり、浮きや反りを発生させる原因になります。
一度、サイディングに浮きが発生すると自然に元に戻ることはないため、早めに対処することが大切です。早めに対処すればビス打ちで修理でき、修理費用も抑えられるでしょう。
大切な住まいの状態を維持して長く住むためにも、浮きを発生させないようにする、浮きを見つけた際にはこの記事で学んだことを参考にしてください。
サイディングは日本の住宅の8割で採用されている主流の外壁材ですが、水を吸収しやすい特性があり、外壁塗装を行なうことで防水性を保持しています。しかし、外壁塗装そのもの、もしくはシーリングが劣化すると表面や側面から水分を吸収するようになり、浮きや反りを発生させる原因になります。
一度、サイディングに浮きが発生すると自然に元に戻ることはないため、早めに対処することが大切です。早めに対処すればビス打ちで修理でき、修理費用も抑えられるでしょう。
大切な住まいの状態を維持して長く住むためにも、浮きを発生させないようにする、浮きを見つけた際にはこの記事で学んだことを参考にしてください。
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