11 月も近づくと日々寒さを感じる事も多くなってきましたね。今年は例年の暑さを感じる間もなく夏が 去りゆき、すっかり秋になってしまった事に寂しさを覚えるのは私だけではないでしょう。 さて、私はビジネス用のスーツを作るお店は同じ店と決めており、私の体型や好みについても分かっ てくれています。こうした季節の変わり目には、いい生地が入荷すると決まってお声掛けいただきます。 常連客として一見さんよりも値段を含めて色々とサービスをしてくれ、店員さんとも気心が知れている仲な ので楽しい時間を過ごすことができます。営業という点で考えれば、あたりまえと言えばあたりまえかも しれませんが、私からすればお気に入りのお店であり、お店側からすると大切な常連客にあたります。
「行きつけという存在
先に述べたような関係が構築されると、簡単に他の店に切り替えることは考えにくく、多少のミスや不具合 が発生したとしても笑って許せてしまう間柄になります。そして、もし他に多少金額の安いテーラーがあった としても興味すら示しません。この様に、スーツ以外にも物を購入したり、サービスを受ける時には、いわゆ る「行きつけ」があり、美容院やクリニック、飲食店などジャンルも様々でしょう。この「行きつけ」は、自 分のことを理解してくれていて特別な対応をしてもらえるので、優越感が味わえるという意識が潜在的にある ことでしょう。自分が贔屓にする替わりに、相手が自分の重要度を高めてくれることで特別な関係が成り立ち、 維持することができるのです。しかしながら、自分の重要度を下げる事態が発生したり、特別扱いをするど ころかぞんざいな扱いをされることがあればどうなるでしょうか。もちろんお客様は怒りを覚え、大きなクレー ムとなることでしょう。特別な気持ちがある分だけ、その怒りや言い方も強くなる可能性もありますね。
お客様の信頼を勝ち得るために
それでは、私達住宅リフォームの業界においてはどうでしょうか。最も大切な住宅を扱う仕事であり、 金額も高額です。更に家に上がらせていただくため、ご家族との関係性も深まることから、お客様にとっ ては工事を任せる相手が誰でもいいわけではありません。業者にとって必要なのは、ご家族にとって住 みやすく快 適にすること。そして、お 客 様 メリットを 最 優 先に考え、ご 予算 なども考慮した 上で 住 宅 の 価値の最大化を実現することでしょう。そこにはお客様への愛情があり、時には見返りを求めない無償 のおせっかいも必要でしょう。そんなスタンスで対応する業者に対してお客様は信頼を寄せるものです。 そして、信頼を超えて強いご好意も示されることでしょう。かかりつけの業者でいるためには、自身の 私利私欲にとらわれず、プロとして仕事に対して正しい姿勢を維持することが大切です。 リフォーム繁忙期の秋は沢山の仕事が舞い込みます。営業マンも大きな数字を狙って奔走するわけです が、自分たちの仕事が売上げ作りにならないよう地に足をつけて一件一件の仕事やお客様を大切にして もらう事を願うばかりです。そして、その結果としてお客様と生涯のお付き合いに繋がり、地域に密着 した無くてはならない存在になっていくことが商売の最大目標であると思います。 「客はいい会社は放っておかない」 本当に価値ある仕事を提供する会社には、遠方から探し出してでも行列ができるものですね。お客様の 信頼を勝ち得ることの大切さを定期的に考えながら毎日の仕事に取り組みましょう。