過去に通じたビジネスモデルは、これからは通用しません。 現代の情報量は、一説によると 10 年前の 600 倍と言われています。消費者は凄まじい情報量の中から 自分にとって必要な情報を選び出し、自分で判断できない場合であってもトレンドや口コミを参考に膨大 な情報の中から選択しています。「これがいい!」という絶対的な主観よりも「これでいい!」という相 対的な判断をするケースが増えているのです。ハイスペックで過剰に付加価値が増した商品を購入しそ の機能を使いきれなかった経験からもこうした心理が働いています。家電製品や最先端機器においては、 消費者ニーズの掴み方の転換点を既に過ぎていると言えます。新築住宅においても法規制を迎えていな い今現在は、最先端の省エネ住宅を購入するよりも身の丈にあわせた最低限のスペックの住宅を購入す る層が根強いのが現実です。
勝てるところで大きく勝つ
「何でもできます」は専門家ではなくブローカーの要素がついて回り、ブローカーではカテゴリーに特 化した専門家には勝てません。一方、専門家は知識や技術、そしてオペレーションコストに優位性を持 ち価格競争や収益性においても大きく上回っています。そこで今、事業を伸ばしていくために求められ るものはビジネスモデルです。私たちは短期間で勝てるところで大きく勝たなければいけません。外装リ フォームはまだまだ競合他社の力も弱く、単発的なチラシの折り込みやホームページの打ち出しなど小手 先の広告宣伝でお客様の取り合いをしているだけですので、ビジネスモデルを利用して外装リフォームを 専門とする我々が全国各地の市場の中でシェアを一気に高める余白は大きいと考えます。
洗練されたビジネスモデルとは
さて、それでは外装リフォームにおいて自社のビジネスモデルは洗練された強力なモデルとして高回転 できているでしょうか? 他業界を例に見てみましょう。理容店の QB ハウスは創業から 4 年で 100 店舗を展開、更に 16 年で 600 店舗を出店し、海外にも 100 店舗展開しています。また、女性向けフィットネスクラブのカーブスは、 2005 年に設立し昨年末で 1648 店舗も展開しています。まさに「これでいい!」という相対的判断の消 費者に受け入れられるビジネスモデルであり、一切の無駄を省き猪突猛進に突き進んだ好事例でしょう。 ビジネスモデルを回すためにはある程度の投資やコストも必要です。しかし、立ち上げる以上は単発の 失敗に恐れず、力技で事業を軌道に乗せる必要もあります。宇宙ロケットはその質量の 9 割が宇宙空間 に到達するための燃料だそうですが、何事もスタート時・導入時に最も力を要するのは当たり前ですね。 これまで通じていたビジネスモデルはいつの間にか陳腐化し、スピード感を失っている可能性があります。 難しいことや煩わしいことが一瞬で処理できるデジタル時代だからこそ洗練されたビジネスモデルで高回 転させることが大切です。勝てるところで確実に勝ち取るということは、「やらないこと」を決めることでもあるのです。