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瓦屋根から雨漏りが発生する原因とは?応急処置の方法や原因ごとの対処法を解説

2022.01.11
日本の伝統的な住宅で多く用いられている「瓦」は、現在主流となっている屋根材の「スレート」などと比較して、耐久性が高い屋根材として有名です。

しかし、耐久性が高いとはいえ、年数が経つごとに劣化するため、雨漏りが発生することもあります。実際にこちらの記事をご覧になっている方の中には、自宅の瓦屋根から雨漏りが発生し、原因や応急処置の方法などを調べている方もいるでしょう。

そこで今回は、瓦屋根から雨漏りが発生する原因や補修方法、今すぐできる応急処置などを解説します。瓦屋根の雨漏りで困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

瓦屋根の特徴と種類


瓦屋根と聞くと、日本家屋に使用されている瓦をイメージする方が多いのではないでしょうか。日本家屋に使用される瓦は「粘土瓦」と呼ばれ、さらに3種類に分けられます。

また、粘土瓦とは異なる素材を使用したセメント瓦・モニエル瓦という種類のものもあります。

このように、ひとえに瓦といっても種類があり、種類ごとに耐久性や特徴が異なります。自宅で使用している瓦の種類を把握することで、雨漏りの原因や対処法、メンテナンスを検討する際にも役立つため、まずは瓦屋根の種類と特徴を見ていきましょう。

粘土瓦

日本家屋で使用されている瓦といえば、こちらの「粘土瓦」のことを指します。粘土という言葉が使われている通り粘土を素材とした瓦であり、ろくろ体験で触れる粘土や湯のみなどに使用されているのと同じ素材です。

しかし、粘土瓦や見た目や製造方法の違いなどにより、以下の3種類に分けられます。
・いぶし瓦
・釉薬瓦
・素焼き瓦

いぶし瓦

全体的にシルバーやグレーの色をしており、割ったときに中まで同じ色をしているのがいぶし瓦の特徴です。

いぶし瓦は、瓦を焼きあげる最後の段階で、燻す工程が行われます。具体的には、焼成の最終工程で、密閉された無酸素状態の窯にガスを注入して還元反応を発生させ、表面に炭素の膜を形成する方法です。

グレーやシルバーの美しい見た目は炭素の膜によるものであり、年数が経つごとに色の変化が生じますが、自然素材特有の変化であり、劣化ではありません。

また、いぶし瓦は表面に炭素の膜が形成されているため、素手で触れると手の油分が付着して跡が付くため、触れるときは軍手を着用するようにしましょう。

釉薬瓦

釉薬瓦はいぶし瓦と基本的な性能はほぼ同じですが、焼き上げるときの製法に違いがあります。

釉薬瓦は、表面に釉薬を塗布し焼き上げることで、化学反応によって色を出すことが特徴です。黒や青などの色が代表的で、割ってみると表面だけ色が異なります。

外観で釉薬瓦かいぶし瓦かを判断する方法は、シルバーまたはグレーの色をしているかで判断する方法があります。シルバーまたはグレーでない瓦であれば、大半は釉薬瓦だといえるでしょう。また、いぶし瓦は特有の色ムラがあるのに対し、釉薬瓦は色ムラが発生しないという違いもあります。

素焼き瓦

素焼き瓦は、いぶし瓦と同様に釉薬を塗る工程がありません。また、素焼き瓦といぶし瓦の違いは、焼成の過程で燻す工程がないことです。そのため、素焼き瓦は粘土を固めてそのまま焼き上げるというシンプルな構成で作られるのが特徴です。

釉薬を塗る、燻すなどの工程がないため、粘土の色合いが生かされ、朱色の仕上がりになります。日本では沖縄の住宅で多く見かけることができ、温かみのある印象があります。

このように、粘土瓦には主に3つの種類がありますが、粘土を焼き上げていることから高い耐久性を期待できることが特徴です。釉薬瓦であれば50年以上、いぶし瓦や素焼き瓦であれば30〜50年ほどの耐用年数が期待できるでしょう。

セメント瓦・モニエル瓦

セメントを主原料とするセメント瓦や、コンクリートを主原料とするモニエル瓦なども存在します。

吸水性が高いセメントやコンクリートを主原料としているため、粘土瓦とは異なり、10年に一度を目安に塗装によるメンテナンスが必要です。1980年代から1990年代にかけて国内で広く普及しましたが、現在では需要の減少に伴い生産が終了しています。

とはいえ、30〜40年前に建てた住宅であれば、セメント瓦やモニエル瓦を採用しているケースもあるでしょう。

粘土瓦とセメント瓦・モニエル瓦の見分け方についてですが、粘土瓦は瓦の端の部分が丸いという特徴があることに加え、セメント瓦・モニエル瓦よりも1枚が小さいため、見分けるのは比較的簡単です。

瓦屋根の部分ごとの名称


瓦の種類について解説しましたが、そもそも瓦屋根の部位の名称を知らないという方も多いのではないでしょうか。

しかし、瓦屋根の部位の名称を知らなければ、「瓦屋根のどこで雨漏りが起こりやすいのか?」というのはもちろん、「棟の部分が劣化して雨漏りが発生しています」などと業者に説明されても理解できない可能性があります。

瓦屋根の部位の名称を知っておくことで、住まいの屋根の状態を理解したうえで雨漏りの対処法を検討できるようになるため、ここでは瓦屋根の部分ごとの名称を解説します。

棟(大棟):頂上部分

屋根面と屋根面が合わさっている頂上部分を「棟(大棟)」と言い、頂上部分の大棟から下に向かっている棟のことは隅棟と呼ばれます。

棟には棟瓦という、面の部分に使用する瓦とは異なる形状の瓦が使用されます。

谷:雨水が流れ込む部分

棟は屋根面が重なって山になっている部分のことを指すのに対し、その逆を「谷」と言います。

谷も屋根面と屋根面が合わさっていますが、棟とは異なり谷折りの形状をしています。雨が降ると高い場所から低い場所へと流れていくため、屋根の中で最も低い位置となる谷に雨水が流れ込み、谷をつたって軒先へと流れていきます。

谷は雨水が多く流れ込む場所ということもあり、屋根のなかで雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。

取り合い:外壁との接続部分

二階建ての住まいで、一階の屋根と外壁の接続部分のことを「取り合い」と言います。

取り合いは外壁と屋根の接続部分となるため、雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。板金などで雨水の侵入を防止していますが、年数が経つごとに劣化し、取り合いから雨漏りになるケースもあります。

瓦屋根の構造


普段住まいを見たとき、瓦やスレートなどの屋根材を見ることはあっても、どのような構造で屋根ができているのかイメージできない方も多いでしょう。

屋根は外壁材(瓦など)を含む3層で構成されています。瓦屋根の基本的な構造を知っておくことで、住まいの屋根の状態を理解したうえで打ち合わせを進めるのに役立つため、ここでは瓦屋根の構造を解説します。

野地板

屋根の3層構造のうち、最も内側(住宅側)にあるのが下地となる野地板です。

野地板は防水シートや瓦を設置するための支えになる部分であり、現在では構造用合板を使用するのが一般的ですが、土き」という工法で瓦屋根を施工している場合はバラ板が使用されていました。

そもそも土葺きとは、大量の土で瓦を固定する工法であり、昭和初期までは主流の瓦の葺き方でした。しかし、地震に弱いというデメリットがあり、現在では土葺きから「引掛け葺き」が主流となっています。

ただし、どのような素材であっても野地板には防水機能がありません。

防水シートや屋根材があるため通常なら雨水に濡れることはありませんが、瓦が破損したり、防水シートが劣化したりすると野地板にまで雨水が浸透し、最終的に雨漏りになることがあります。

また、耐用年数はおよそ30〜40年であるため、張り替えなどのリフォームが必要になることもあります。

防水シート

屋根の3層構造のうち、2層目にあるのが防水シートです。野地板の上に敷かれており、瓦の隙間から入り込んでくる雨水を防水シートでキャッチし、軒先へ排水するという二次防水の役割を担っています。

横雨や大雨の際、屋根材のみで雨の侵入を完全に防止するのはむずかしいため、防水シートと屋根材を組み合わせることで、住まいを雨から守っています。

なお、土葺きの屋根では防水シートではなく、杉や槙、ヒノキなどを薄くはいだものが野地板の上に敷かれていました。

野地板、防水シートを施工した後、3層目に瓦を載せていきます。

瓦は美しい見た目だけでなく、雨水を最初に受け止めて軒先に排水する一次防水の役割を担っているほか、風や太陽の熱、紫外線などから住宅を守っており、快適な住まいを支えている存在です。

瓦は1枚あたり縦・横30cmほどの大きさで、それを重ねるように施工していきます。その際、一定の隙間を設けることで、瓦の内部に湿気や雨水が溜まらないようになっており、30坪の住宅で約1,000枚の瓦が必要となります。

瓦屋根から雨漏りが発生したときの応急処置方法


「瓦屋根から雨漏りが発生したけど、まず何をすべき?」
「今すぐできる応急処置ってあるの?」
など、実際に今雨漏りが発生していて、不安を感じている方もいるでしょう。

雨漏りが発生した場合、業者に修理を依頼するのが一般的ですが、業者に連絡したとしても、実際に修理が始まるまでに時間がかかります。

その間、何もしないまま放っておくと状態が悪化してしまうため、簡単かつすぐにできる応急処置の方法を解説します。

床や家具などが濡れないようにする

まずは床や家具が濡れないように対策をしましょう。

床が濡れないようにバケツを設置したり、家具や家電を動かしたりする方法であれば、その場で対処できます。とくに家電は濡れると故障するものが多いため、優先的に移動させるのがおすすめですが、重量やスペースの問題で家具や家電を動かすのがむずかしい場合はビニールで覆いましょう。

原因箇所がわかる場合、防水テープなどで塞ぐ補法もありますが、天井裏に水が溜まって構造躯体を傷める原因となるのでおすすめしません。

速やかに業者を探す

雨漏りが発生したら、できるだけ早く業者に相談し、点検・修理に来てもらうことも大切な応急処置の一つです。

晴れた日が続くと雨漏りが発生しなくなり、「大丈夫かもしれない」と思いがちですが、雨が降ると再び雨漏りが発生します。また、テープなどで一時的に対処しても、根本解決にはなっていません。

「業者に依頼するのが面倒」「費用がいくらかかるかわからないから不安」といった理由で、業者への連絡を後回しにすると、雨漏りがどんどん深刻化し、修繕規模も大きくなり費用も高額になります。

そのため、被害を最小限に抑えるためにも、速やかに業者を探して対応してもらうことが大切です。その際、2~3社に問い合わせを行い、対応や見積りを比較して信頼できるところに依頼することをおすすめします。

瓦屋根の雨漏りの原因


耐久性の高い瓦屋根であっても、瓦そのものの劣化や野地板・防水シートなど周辺の部材の劣化によって雨漏りが発生することがあります。

では、瓦屋根に雨漏りが発生したときに、どのような原因が考えられるのか見ていきましょう。

瓦のズレ・割れ・浮き

耐久性の高い瓦ですが、ズレや割れ、浮きなど瓦そのものの不具合が原因で雨漏りが発生するケースがあります。

台風や地震による強い風や揺れ、飛来物などの影響により起こりやすい症状であり、瓦がズレたり、割れたりした部分から雨水が侵入します。ただ、瓦の下に防水シートがあるため、防水シートが機能していればすぐに雨漏りが発生することはありません。

しかし、すでに防水シートが劣化していたり、瓦の不具合を放置して時間が経ち、防水シートが傷んだりすると雨漏りになります。

棟瓦の歪み・漆喰の剥がれ

瓦屋根を下から見ると、棟の部分に白い漆喰が詰め込まれているのが見えますが、こちらの漆喰が劣化することで雨漏りになることもあります。

棟瓦と屋根面との間には構造上、半月状の隙間が生まれるため、その隙間を漆喰で埋めています。しかし、紫外線や雨風などの外的要因により、漆喰が劣化して剥がれることで雨水の侵入口を作ってしまうのです。

また、防水性を持たせていた漆喰が機能しなくなることで、棟瓦を固定している土が流れだし、棟瓦が歪んで最終的に雨漏りにつながるケースもあります。

谷板金の劣化

先に解説した通り、瓦屋根の谷も雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。谷には板金が取り付けられており、瓦屋根でキャッチした雨水を谷板金に集めて軒先へと排水しています。

このように雨水が集中しやすい箇所であることに加え、紫外線などの影響を受けることで、板金の塗装が劣化し、板金部分に錆びが発生します。普段目にすることがない分、錆びが発生したことに気が付かず、錆びが板金を貫通してしまうことも少なくありません。

板金に穴が開くと雨が降るたびに谷から屋内に雨水が侵入し、雨漏りにつながります。

雨樋の劣化

雨樋の劣化が原因で雨漏りになるケースもあります。

雨樋とは、屋根に降った雨を地上や下水に排出する役割を担っている部材です。しかし、葉っぱやホコリ、ゴミが詰まったり、ひび割れや外れ、歪みなどが起こると、屋根に落ちた雨水を排水できなくなります。

雨樋が機能しなくなると、雨水が直接外壁にかかってしまったり、軒裏に雨水が入り込んでしまったりして雨漏りになることがあります。雨樋はあまり重要視されないポイントですが、雨漏りを防ぐための重要な役割を担っているため、定期的にメンテナンスを行いましょう。

防水シートの劣化

屋根の構造を解説するときにも紹介しましたが、屋根の2層目に敷かれている防水シートは屋根の二次防水であり、なおかつ雨漏りの最終防衛ラインという重要な役割を担っています。

瓦屋根は瓦が破損することで雨漏りになることがあると解説しましたが、防水シートが健全な状態であれば雨漏りは起こりません。つまり、極端な話ですが、たとえ屋根材がなくても、防水シートさえ機能していれば雨漏りは発生しないのです。

とはいえ、防水シートだけではすぐに劣化してしまうため、瓦で大半の雨水を防ぎ、瓦の隙間から入り込んで切る雨水を防水シートが排水しています。防水シートは15〜20年ほどの寿命であるため、防水シートの劣化に伴い穴が開いたり、破れたりすると雨漏れが発生します。

葺き土の流出

土葺きという工法を用いて施工している瓦屋根に限られますが、葺き土が流出することで雨漏りが起こるケースもあります。

土葺きでは、大量の土を敷き詰めて瓦を固定しており、大量の土とその下に敷き詰められている杉皮や杮板が防水紙の代わりとなっています。

しかし、年数が経つと次第に土が流出し、杉皮や杮板に雨水が到達するようになります。杉皮や杮板は木材であるため水分に弱く、水を吸収することで腐食すると防水機能を失い、雨漏りにつながります。

現在、土葺きを行っている住宅は少ないですが、数十年前に建てられた住まいでは土葺きを採用しているケースもあるため、自宅の瓦屋根をどうような工法で葺いたのか確認してみるとよいでしょう。

瓦屋根から雨漏りが発生したときの補修方法


瓦屋根の雨漏りは、瓦自体の不具合のほか、防水シートや谷板金など、周辺の不具合や劣化によって発生することがわかりました。

では、瓦屋根から雨漏りが発生したときの補修方法を原因別に見ていきましょう。

瓦のズレ・割れ・浮き:瓦を戻す、差し替える

瓦のズレ・割れ・浮きによる症状で雨漏りが発生したときは、ずれた瓦を元の位置に戻す、割れや浮きが発生している場合は新しい瓦と差し替えて補修します。

スレート屋根とは異なり、瓦は1枚ずつ引っ掛けて並べています(引っ掛け工法で葺いた瓦の場合)。そのため、部分的に不具合が起きたときは、その箇所だけを補修可能です。

棟瓦の歪み・漆喰の剥がれ:漆喰の詰め直し工事、棟の取り直し工事

棟瓦と屋根面との間にできる半月上の隙間を埋めて防水機能を持たせているシックいが剥がれてきたときは、新しい漆喰を入れ直す「漆喰の詰め直し工事」が行われます。

しかし、漆喰が剥がれたまま時間が経ち、棟瓦を固定している土が流出し、棟瓦自体が歪んでしまっているときは、新しい土と漆喰で軒瓦を元の位置に戻して固定する「棟の取り直し工事」が必要となります。

状態により必要な補修が異なるため、業者に点検してもらったうえで、最適な補修方法を提案してもらうようにしましょう。

谷板金の劣化:穴を塞ぐ、谷板金を交換する

雨漏りが起こりやすい谷板金の劣化は、穴が空いた部分を埋める部分補修、または板金の交換を行が行われます。

谷板金は錆びによって穴が開くことがあり、小さい穴ならシーリング材や補修テープで穴を塞ぐ対処法が可能です。しかし、穴が大きかったり、錆びが全体にできていて谷板金が寿命を迎えている場合は、部分補修ではなく交換を検討しましょう。

谷板金は一般的に20年程度で寿命を迎えるため、年数を目安に交換を検討するのがおすすめです。なお、谷板金が他の箇所にもある場合、全体をまとめて点検してもらうと安心です。

雨樋の劣化:雨樋の補修・交換

雨樋はどのような症状で不具合が起きているのかによって対処方法が異なります。

たとえば、雨樋自体の劣化は進んでおらず、葉っぱやホコリなどで一時的に詰まりが発生した場合は掃除だけで済む可能性があります。また、一部か破損していたり、金具が曲がっていたりする場合は、部分交換で問題ないでしょう。

反対に、複数箇所が破損・劣化している場合は全交換が必要になることもあります。雨樋の寿命は20年程度であるため、年数を目安に全交換するべきか検討するのもおすすめです。

防水シートの劣化:防水シートの交換

雨漏りの最終防衛ラインである防水シートが劣化しているときは、危険な状態といえるので、すぐに新しい防水シートに交換しましょう。

防水シートを交換するときは、既存の瓦を全てもしくは部分的に撤去しなければならないため、やや大がかりな工事となります。また、防水シートの下に敷かれている野地板が傷んでいる可能性もあるため、同時に点検を依頼し、必要に応じて野地板の張り替えも検討しましょう。

最近では耐用年数が50年を超える防水シートもあるため、交換する際は防水シートの耐用年数に注目して製品を選ぶことをおすすめします。

葺き土の流出:葺き土を取り除いて野地板・防水シート・瓦を載せる

葺き土の流出によって雨漏りが発生したときは、今ある瓦と葺き土を撤去し、新たに野地板と防水シート、瓦屋根を載せる葺き替えを行うのが一般的です。

土を撤去するため、屋根の軽量化ができて耐震性向上につながるうえに、瓦屋根の劣化をリセットできます。ただし、葺き土の撤去が必要となる分、一般的な葺き替え工事よりも高額になりやすい傾向にあります。

また、瓦自体の劣化が進んでいない場合は、既存の瓦をいったん撤去し、新しい野地板と防水シートを施工したところに再び既存の瓦を載せる「葺き直し」という工法が選択できるケースもあります。

瓦を再利用できるうえに撤去費用がかからないため、葺き替えよりも費用を抑えやすい工法です。

瓦屋根の劣化が深刻な場合は葺き替えを検討しよう

 

葺き土の流出に限らず、瓦屋根の劣化が深刻な場合は葺き替えを検討するのがおすすめです。

葺き替えとは、既存の瓦をすべて撤去し、新しい瓦を取り付ける工法のことです。葺き替えでは、瓦だけでなく野地板や防水シートまで補修・交換するため、屋根をまるごと取り替えるイメージで劣化をリセットできます。


瓦は耐久性が高いとはいえ、谷板金や棟、野地板、防水シートなどは10〜20年で寿命を迎えます。不具合が起こるたびに交換するよりも、葺き替えで劣化をリセットする方が費用対効果が高い可能性があるため、どのような補修を行うのか慎重に検討しましょう。

瓦屋根の雨漏りを予防する方には定期的な点検・メンテナンスが大切


瓦屋根はスレート屋根などと比較して耐久性が高いですが、メンテナンスが不要というわけではありません。

そのため、雨漏りを予防するためには定期的な点検とこまめなメンテナンスが大切です。とくに不具合を感じていなくても、外壁塗装やリフォームを行うタイミングで屋根の点検を依頼し、早めに劣化を直すようにしましょう。

こまめに点検やメンテナンスを行うことで、状態のよい瓦屋根を維持でき、雨漏りの予防につながります。

まとめ

今回は瓦屋根の雨漏りについて解説しました。

瓦屋根からの雨漏りは、瓦の破損やズレ、谷板金の劣化、漆喰のはがれ、防水シートの劣化、雨樋の詰まりなどが原因だと考えられます。

瓦屋根から雨漏りが発生したときは、すぐに業者に相談し、原因箇所を見つけて補修するようにしましょう。その際、屋根の部位の名称や構造、どのような原因があるのか認識しておくことで、落ち着いて対処できるようになります。

なお、実際に雨漏りが発生したときの対処法を知ることも大切ですが、定期的な点検・メンテナンスを行い、予防することも重要なポイントです。

ぜひ今回の記事を参考に、瓦屋根から雨漏りが起きたときの最適な対処法や、雨漏りの予防方法を検討してみてください。
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