「総額で200万円だったが、妥当な金額なのだろうか？」
外壁塗装はお金がかかるとわかっていても、予想以上に高額な見積もりを提示されて驚く方もいるでしょう。

この記事をご覧になっている方の中には、実際に200万円の見積もりを提示されて悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、外壁塗装で200万円もかかることはあるのかについて解説します。外壁塗装の費用相場や悪徳業者に騙されている可能性が高いケースなどもふまえて解説しますので、見積もりについて悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

40坪の外壁塗装の費用は「90～140万円」が相場

そもそも外壁塗装の費用相場はどのくらいなのか把握していない方もいるでしょう。

40坪の住宅に外壁塗装をする場合、ウレタン塗料で85万円程度、シリコン塗料を使う場合は90万円程度、シリコン塗料よりもグレードの高いフッ素塗料を採用する場合は132万円が相場となっています。

外壁塗装の費用は塗料のグレードや外壁の状態、塗装面積などで変わるため、あくまで目安ですが、40坪の住宅の外壁塗装にかかる費用相場は90〜140万円といえるでしょう。

外壁塗装で200万円を超えるケースは珍しい

結論から言うと、一般的な大きさの住宅で外壁塗装の費用が200万円を超えることはまずありえません。

というのも、外壁塗装の費用相場は90〜140万円が中心の価格帯であり、200万円を超えたケースは全体の4％ほどという調査結果が出ているからです。

つまり、外壁塗装で200万円を超えることが無いとは言い切れないものの、大半の住宅が200万円以下で住んでいるとわかります。

訪問営業にはとくに注意しよう

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの統計年報2022によると、外壁塗装を含む住宅リフォームのトラブルによる相談件数は2021年度で7,478件となっており、毎日数多くのトラブルが発生しているとわかります。

中でも外壁は外からみて状態がわかるため、訪問営業が多く注意しなければなりません。
「家の前を通りかかったら危険な状態だったので、ピンポンさせていただきました」
「本日中に契約していただくと、総額250万円が200万円で済みます」
など、不安や焦りを煽る形で契約を迫る業者も少なくありません。

しかし、優良業者は訪問営業をして顧客を獲得する必要がないため、「訪問営業をしている＝日程に空きがある、契約を獲得したい」と考えている業者だといえます。

訪問営業を受けて勢いで契約すると、業者の口コミや評価、見積もりの妥当性などを冷静に判断できず、200万円など一般的にはありえない金額で契約してしまう可能性があります。訪問営業にはとくに注意して、きちんと検討する時間を設けましょう。

外壁塗装で200万円を超えるケースもある

外壁塗装が行われたケースのうち、全体の4％は200万円以上を支払っており、実際に適正価格として200万円かけて外壁塗装が行われたケースもあります。

では、どのような場合・状況なら200万円を超える可能性があるのかについて解説します。

家が非常に大きい

40坪前後の家なら90〜140万円が相場となっているため、70坪以上などの大きな家であれば、外壁塗装で200万円かかることもあるでしょう。

5回塗りなど重ね塗りが必要

外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の合計3回の塗装工程が一般的ですが、中には4回塗りや5回塗りを行う工事も存在します。

たとえば、築20年以上が経過しており、外壁材の劣化が激しい状態で初めて外壁塗装をする場合などは、4回塗りや5回塗りが行われる可能性があります。外壁材の劣化が激しいと一般的な外壁材と比較して多く塗料を吸い込んでしまうことがあり、複数回重ね塗りして塗膜を形成する必要があるからです。

塗装回数が増えると同時に、必要な材料や人件費、作業時間が増えるので金額が上がります。

オリジナル塗料を使用する

外壁塗装でオリジナル塗料を採用する場合、200万円以上かかることがあります。

オリジナル塗料とは、既製品の塗料ではなく、業者やハウスメーカーのオリジナル塗料のことを指します。

一般的な既製品の塗料のグレードごとの相場は以下の通りです。

塗料の種類	塗料の単価（1㎡あたり）下塗り含む3回塗りの合計	40坪の住宅に必要な塗料の費用（塗装面積158.4㎡あたり）
アクリル塗料	1,400〜1,600円	221,760〜253,440円
ウレタン塗料	1,700〜2,200円	269,280〜348,480円
シリコン塗料	2,300〜3,500円	364,320〜554,400円
フッ素塗料	3,800〜4,800円	601,920〜760,320円
無機塗料	4,500〜5,500円	712,800〜871,200円

このように、最も高額な無機塗料でさえ、40坪の住宅に塗装する場合の塗料代は90万円以下なので足場代や養生代などをプラスしても200万円を超えることはないとわかります。

ただ、既製品ではないオリジナル塗料の場合、業者やハウスメーカーが独自に価格を設定しており、既製品よりも高額な場合があります。

オリジナル塗料にこだわって採用する場合は問題ありませんが、既製品でも耐用年数が長く高機能な塗料は数多くあり、あえてオリジナル塗料を採用しなくても十分満足できる場合がほとんどなので慎重に検討しましょう。

屋根塗装も同時に行う

外壁塗装と同時に、屋根塗装や雨どいの補修、防水工事などを一緒に行う場合は200万円を超えても珍しくありません。

ただ、外壁塗装と屋根塗装だけを同時に施工する場合、200万円を超える見積もりは妥当とは言い切れないことがあります。

しかし、外壁と屋根の劣化が激しかったり、グレードの高い塗料を採用したりするほか、家が大きい場合などは、外壁と屋根の塗装だけで200万円を超えることがあるため、見積もりの詳細を確認するのがおすすめです。

外壁塗装代が相場よりも高額になりがちなケース

外壁塗装の費用は、依頼先の業者の料金設定や外壁の状態が影響して高額になるケースもあります。

ここでは、ぼったくられている訳ではないが、外壁塗装が高額になりがちなケースを解説します。

ハウスメーカーに外壁塗装を依頼した場合

外壁塗装をハウスメーカーに依頼すると、相場より高くなるケースが大半です。

というのも、ハウスメーカーに外壁塗装を依頼しても、実際に施工するのはハウスメーカーではなく下請け業者にあたる外壁塗装業者であり、中間マージンが上乗せされて費用が請求されるからです。

実際にハウスメーカーに依頼する場合と、外壁塗装業者に直接依頼する場合では、同じ施工内容でも30％ほどハウスメーカーの方が見積もり金額が高くなる傾向にあります。

ハウスメーカーは家を建ててもらったことから相談しやすい、安心できるといったメリットがありますが、外壁塗装業者と比較して仕上がりは同じで費用が高くなりがちなので、何を優先するかで依頼先を選びましょう。

外壁がひどく劣化している場合

重度の劣化症状が見つかってから外壁塗装を行う場合も、費用がアップしやすいでしょう。

外壁塗装はいきなり塗料を塗布するのではなく、下地処理という外壁表面の汚れを落としたり、傷を補修したりする前処理の工程があります。下地処理が不十分だと、塗料が密着せず施工不良の原因になるため重要な工程の一つです。

この下地処理は、30〜40坪の住宅の場合、通常なら1日程度で済みますが、劣化が激しいと数日かかることもあり、人件費や材料費がかかって費用が上がります。

なお、外壁の劣化が激しいと、塗料を多く吸い込むため4回塗りが必要になることもあり、その場合もコストアップにつながります。

悪徳業者の可能性が高いケース

ひとえに外壁塗装業者といっても、外壁の状態を見極めてて丁寧に施工してくれる優良業者がある一方、利益ばかりを優先し、相場を無視して200万円などの高額な請求をする悪徳業者がいるのも事実です。

ただ、200万円の見積もりを提示されただけでは悪徳業者か判断しにくいため、ここでは悪徳業者の可能性が高いケースを解説します。

見積書の項目が少なく内容が適当な場合

見積書の内容が「一式」とまとめられていて詳細が記載されていない、内訳や数量、塗料の種類が明記されていないといった場合は、悪徳業者である可能性があります。

記載項目が少なく、おおざっぱな内容しか記載されていない見積もりは、何にどのような費用がかかっているのかわかりにくくなるため、金額を上乗せしているのをわかりにくくできるからです。

また、詳細な内容を記載しないことで、打ち合わせとは異なるグレードの低い塗料を勝手に使うケースなどもあるので、見積もりは慎重に確認しましょう。

不安を煽って契約を迫ってくる

不安を煽って契約を迫るのも、悪徳業者が使いがちな方法です。

「早く修理しないと大変なことになります」
「劣化がひどい状態です」
など、顧客の不安を煽り、その場で契約させようとするのもよくある悪徳業者の手段です。

大切な住まいについて「大変な状態になっている」と言われたら、冷静さを失うものでしょう。しかし、不必要に不安を煽っている可能性があるので、いったん落ち着いて検討することが大切です。

また、優良業者なら外壁の劣化が深刻な場合でも、不安を煽るような言い方をするのではなく、真摯に向き合って対応してくれるはずです。

即決を迫ってくる

外壁塗装は適正価格であっても決して安いものではないため、見積もりを提示されてその場で即決するのはむずかしいでしょう。優良業者なら時間をかけて検討することを快諾してくれるはずなので、即決を迫ってくる場合は悪徳業者の可能性があります。

「今契約していただければ、さらに30万円値引きします！」
「ここで契約していただかないと、見積もりを作り直すことになります」
「他の業者と費用はほとんど変わらないと思います」
などと言って即決させようとするのは、悪徳業者がよく使うセリフです。

インターネットの口コミを見られたり、相見積もりを取って比較されたりするのを防ぐための手口だと考えられるので注意しましょう。

不要なオリジナル塗料を勧める

先に解説した通り、オリジナル塗料は業者が独自に価格を設定できることもあり、業者にとって利益を確保しやすいポイントです。

そのため、無理にオリジナル塗料を勧めてくる業者はあやしいと考えられます。とくに、オリジナル塗料の名前を検索しても情報が出てこない、評判がよくないといった場合は注意しなければなりません。

また、オリジナル塗料は性能や品質に対して価格が見合っていないこともよくあるので、こだわりがないなら、施工事例が多く実績が保証されている既製品を選ぶのがおすすめです。

悪徳業者に依頼しないために！信頼できる外壁塗装業者の選定ポイントとは?

外壁塗装業者は数が多く、相場を無視して200万円の見積もりを提示するような、いわゆる悪徳業者がいるのも事実です。

悪徳業者に騙されないようにするためには、信頼できる業者を見極めるためのポイントを押さえておくことが重要です。

自社施工をしている業者を探す

外壁塗装は業者によって運営体制が異なり、自社で提案から施工まで一貫して対応している業者もあれば、注文だけを受け付けて、施工は別の会社に任せる下請け制度を導入しているところも多くあります。

当然ですが、下請け制度を導入している業者は中間マージンが必要になるため、自社施工を行っている業者よりも費用が高くなりがちです。ただ、値段が高いと契約を獲得しにくいので、施工人数や施工期間を無理に減らして作業しているところも少なくありません。

また、下請け制度を採用している業者は施工する職人が同じではないため、仕上がりにバラつきが出やすい傾向にあるのも注意すべきポイントです。

必ずしも下請け制度を採用している業者が悪い訳ではありませんが、適正価格で仕上がりが安定しやすいのは自社施工の業者だといえるでしょう。

現地調査を行い、丁寧な見積もりを提示してくれる

外壁塗装の費用は、塗料のグレードや塗装面積だけで決まるものではありません。

外壁の劣化状態や家の形、必要な足場の面積、周辺の状況などによって費用が変動するため、詳細な金額は現地調査をしてから出ないと算出できないのです。

電話やホームページだけで出された見積もりでは実際に施工するときに追加費用が発生する可能性が高いため、きちんと現地調査を行い、詳細な見積もりを提示してくれる業者に依頼しましょう。

予算に合った塗料を紹介してくれる

ひとえに外壁塗装の塗料といってもさまざまな種類があります。

ヒアリングをせずオリジナル塗料やグレードの高い塗料を勧めるのではなく、予算や希望を丁寧にヒアリングし、相談者に合う塗料をピックアップしてくれるのは信頼できる業者の特徴です。

予算はもちろん、外壁材の種類や状態、期待する耐用年数などを踏まえて提案してくれると、相談者目線で提案してくれていると言えます。

アフターフォローがしっかりしている

外壁塗装は手作業による工程が大半であり、どんなに信頼できる業者でも施工ミスがないとは言い切れません。

そのため、アフターフォローが充実しているかどうかも業者選びのポイントです。保証やメンテナンスを行っているかどうかはもちろん、インターネットの口コミなどを見て施工後の対応が充実しているか確認しましょう。

限られた予算でも真摯に対応してくれる

外壁塗装を検討している方の多くは、あらかじめ予算を決めているのではないでしょうか。

余裕のある予算があれば問題ありませんが、限られた予算でプランを検討しなければならない場合もあるでしょう。その際、優良業者なら限られた予算でも真摯に対応し、最適なプランを提案してくれるはずです。

反対に、予算を上げさせようとしたり、予算が少ないとわかったら適当な対応をしたりする業者は信頼できないと判断できます。

まとめ

今回は外壁塗装で200万円かかることはあるのかについて解説しました。

外壁塗装で200万円以上かかるのは、家が非常に大きい、複数箇所を同時にメンテナンスするなど限られたケース以外では妥当性がありません。30〜40坪程度の一般的な住宅で外壁塗装のみを行う場合は、相場よりも高い金額を提示されている可能性が高いです。

万が一、200万円の見積もりを提示されたら、いったん落ち着いて検討するのがおすすめです。外壁塗装業者は1社ではないので、複数の業者を比較して信頼できる業者を探すとよいでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に、適正価格で高品質な施工をしてくれる優良業者を見つけてみてください。