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金属系サイディングとは?特徴や耐用年数、リフォーム費用などを解説

2023.03.09
金属系サイディングは外壁材の一種であり、軽量でスタイリッシュなデザインであることなどから人気が高まっています。

しかし、
「金属系サイディングは価格が高い」
「金属系サイディングは錆びやすい」
といったことを聞くこともあり、新築やリフォームで採用すべきか悩んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、金属系サイディングとはどのような外壁材か、耐用年数や費用相場などを解説します。外壁材選びで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

金属系サイディングとは?

まずは、金属系サイディングがどのような外壁材なのか構造などを見ていきましょう。

金属系サイディングの構造


金属系サイディングとは、サイディング外壁の一種です。ボード状の外壁材であるサイディング外壁は「金属系サイディング」「窯業系サイディング」「樹脂系サイディング」「木質系サイディング」の4種類に大別でき、金属を素材として使用したサイディングのことを金属系サイディングと言います。

なお、金属系サイディングといっても使用する金属によってさまざまな種類があり、外壁材として主流になっているのは「ガルバリウム鋼板」と呼ばれるものです。

ガルバリウム鋼板の断面は、ガルバリウム鋼板を仕上げ面として、断熱材を挟むようにアルミ箔が貼り付けられており、1枚当たりの厚さは0.3mm、長さは約4m×40㎝が一般的です。

金属系サイディングのシェア

住宅の外壁材を採用する際、人気の高さが気になる方も多いでしょう。
 
日本窯業外壁材協会が令和4年に実施した調査によると、戸建住宅市場では、窯業系サイディングのシェアが78.4%となっており、圧倒的なシェア率となっていることがわかります。

しかし、窯業系サイディングに次いで、金属系サイディングのシェアが高く、窯業系サイディングほど主流ではないものの人気のある外壁材であるといえます。

外壁材 シェア
窯業系サイディング 83.9%
金属系サイディング 10.9%
モルタル 7.3%
ALCパネル 0.7%
木質 0.6%
その他 2.1%
※参考:日本窯業外壁材協会 統計データ

金属系サイディングの種類

金属系サイディングは、使用する金属によって種類が異なり、「ガルバリウム鋼板」「エスジーエル鋼板」「アルミ」「トタン」の4種類に大別できます。

また、以下のとおり、同じ金属系サイディングであっても、使用する金属の種類によって特徴が異なります。

  トタン アルミ ガルバリウム鋼板 エスジーエル鋼板
耐久性
価格 ×
錆びやすさ × ×
凹みやすさ ×
軽さ

このように、トタンは安価ですが錆びやすく、やや凹みやすいため外壁材としての耐久性には欠けるといえます。

一方、外壁材として主流のガルバリウム鋼板は、価格が高いものの、機能面など全体的なバランスがよいことがわかるでしょう。また、エスジーエル鋼板は近年人気が高まっている外壁材であり、価格は高いものの高機能なことが特徴です。

金属系サイディングの耐用年数とメンテナンス方法

金属系サイディングは、耐用年数が長いことも人気のポイントの一つです。

しかし、金属の種類によって耐用年数が異なります。さらに、耐用年数が長いとはいえ、メンテナンスが不要なわけではありません。

ここでは、金属系サイディングの種類ごとの耐用年数とメンテナンス方法について解説します。

金属の種類ごとの外壁材の耐用年数とメンテナンス方法

そもそも、外壁材における耐用年数とは、張り替えが交換になるまでの年数を指しています。つまり、外壁材自体がどのくらい持つのかを、目安として年数で表しているのです。

金属系サイディングの耐用年数は以下のとおりです。

・トタン:20~25年
・アルミ:35~40年
・ガルバリウム鋼板:30~35年
・エスジーエル鋼板:30~40年

ただし、上のような耐用年数を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。施行後、何のメンテナンスもしないまま放置していると、外壁塗装やコーキングが劣化し、雨漏りなどの原因となる可能性があります。

なお、金属系サイディングの全面的なメンテナンス方法は主に「外壁塗装」「カバー工法」「張り替え」の3種類があり、軽度の劣化であれば外壁塗装でメンテナンス可能です。

ただし、金属系サイディング自体が劣化していたり、外壁材の内部が腐敗していたりする場合は外壁塗装でメンテナンスできないため、状態に応じてカバー工法や張り替えが行われます。

外壁塗装の耐用年数とメンテナンス方法

金属系サイディングの全面的なメンテナンスを行う際、最初に外壁塗装を検討するのが一般的です。必要なタイミングで外壁塗装を実施すれば、カバー工法や張り替えを行わなくても、期待する耐用年数まで外壁材の状態を維持しやすくなります。

そこで、金属系サイディングを採用するときは、外壁材そのものの耐用年数に加え、外壁塗装の耐用年数にも注目することが大切です。外壁塗装の塗り替えのタイミングは10年に一度が目安とされていますが、塗料の種類によって耐用年数が大きく変わります。

自宅の外壁はどのような塗料を採用しているのか知り、耐用年数からメンテナンスのタイミングを検討してみましょう。

なお、外壁塗装で使われる主な塗料の種類と、種類ごとの耐用年数の目安は以下のとおりです。

塗料の種類 外壁塗装での耐用年数
アクリル塗料 3〜5年
ウレタン塗料 5〜8年
シリコン塗料 8〜12年
フッ素塗料 15〜18年
無機塗料 20〜25年

このように、どの種類の塗料を採用しているのかによって、外壁塗装の耐用年数に大きな差がでます。耐用年数を迎えたら、専門業者に依頼して点検・再塗装を行うようにしましょう。

金属系サイディングのメリット


金属系サイディングのメリットは以下の6つが挙げられます。

・デザイン性が高い
・耐用年数が長い
・断熱性に優れている
・割れや欠け、凍害が発生しない
・軽量である
・リフォームしやすい

一つひとつ詳しく見ていきましょう。

デザイン性が高い

金属系サイディングは、金属ならではのスタイリッシュな見た目が魅力です。

とくに、金属系サイディングの代表的なデザインであるスパン系は、シンプルで飽きのこない見た目でありながら、モダンな印象があります。さらに、最近では次世代インクジェット技術を使用し、繊細な色味や複雑なデザインを表現できるようになったことから、デザイン性が向上しています。

耐用年数が長い

金属系サイディングの耐用年数は、種類によりますが20〜40年とされています。

外壁塗装などの定期的なメンテナンスは必要となりますが、適切にメンテナンスをすれば長く外壁材の状態を維持できます。外壁材自体の単価は安くありませんが、長期的に考えるとお得になるケースがあるでしょう。

断熱性に優れている

熱の伝わりやすさを表す基準に「熱伝導率」があり、熱伝導率が高いほど熱が伝わりやすく(断熱性が低い)、数値が低いほど熱が伝わりにくく(断熱性が高い)なります。

金属は熱伝導率が高いことから、金属系サイディングを採用すると住宅が暑くなりやすく、冷たくなりやすいというイメージがあるでしょう。しかし、金属系サイディングは断熱材と一体になっているため、熱伝導率が低く、高い断熱性を維持できます。

主要な外壁材の熱伝導率は以下のとおりです。

・窯業サイディングの場合の0.15W/mk
・モルタルの場合の0.13W/mk
・金属サイディングの熱伝導率は0.026W/mk

このように、金属サイディングの熱伝導率は0.026W/mkであり、窯業サイディングと比較しておよそ6倍、モルタルと比較して50倍ほど断熱効果が高いことがわかります。つまり、金属サイディングは非常に断熱性の高い外壁材といえるでしょう。

割れや欠け、凍害が発生しない

金属は素材そのものの強度が高いことから、割れや欠け、凍害が発生しません。

なお、凍害とは、外壁材が水分を含み、その水分が凍結したり、解けたりすることで外壁材そのものが傷ついてしまう現象を指します。エリアや気候条件などによりますが、凍害は窯業系サイディングに発生しやすく、補修が必要となります。

軽量である

金属系サイディングは、ほかの外壁材と比較して軽量であることから、構造躯体にかかる不可を軽減できて耐震性の高い住まいを実現しやすくなります。

まず、金属系サイディングとほかの外壁材の重さを比較してみましょう。

・金属サイディング(15mm厚)の1平米あたりの重量:3.8kg / ㎡
・窯業系サイディング(15mm厚)の1平米あたりの重量:17.4kg / ㎡
・ALCボード(100mm厚)の1平米あたりの重量:65kg / ㎡
・窯業系サイディング(20mm厚)の1平米あたりの重量:40kg / ㎡

同じ厚み・大きさの窯業系サイディングと比較しても、金属系サイディングは4.6倍程度軽く、ALCボードと比較すると17倍軽いことがわかります。

外壁材が軽いと、地震などで建物が揺れたときに負荷がかかりにくいため、倒壊リスクを抑えられます。


リフォームしやすい

金属系サイディングは軽量であることから、リフォームの選択肢が多いこともメリットの一つです。

外壁の全面的なリフォームを行う場合、外壁塗装以外の方法であれば「カバー工法」または「張り替え」が主流です。カバー工法は張り替えと比較して安価であるうえに、外壁材が二重になって断熱効果が高まるといった点からメリットが多い方法です。

しかし、既存の外壁材の上から新しい外壁材を施工するという性質上、建物への負荷がかかりやすいため実施できる外壁材が限られています。たとえば、窯業系サイディングでは実施できない場合もあるのです。

しかし、非常に軽い金属系サイディングは、カバー工法に適した外壁材であるといえます。そのため、カバー工法や張り替えなどのリフォーム方法から、最適な工法を選択できるメリットがあります。

金属系サイディングのデメリット


金属系サイディングのデメリットは以下の3つが挙げられます。

・価格が高い
・劣化すると色あせする
・錆びやすい

一つひとつ詳しく見ていきましょう。

価格が高い

金属系サイディングは複数のメリットがありますが、窯業系サイディングと比較して1.3倍程度、樹脂系サイディングと比較して1.5倍程度、費用相場が高くなります。とくに、

もちろん、メーカーや種類によっても価格は異なりますが、金属系サイディングを採用することで予算オーバーになりやすいのは注意点でしょう。

ただし、モルタルやレンガ、タイルなどよりかは費用相場が安いため、高すぎるというわけではありません。

劣化すると色あせする

金属系サイディングの表面にはフッ素塗料による塗装が行われていますが、経年劣化によって塗膜が劣化してしまいます。

表面の塗膜が劣化すると、色あせやチョーキングといった症状が表れます。

耐久性が高いとはいえ、劣化しないわけではないため定期的に状態をチェックしてメンテナンスを行いましょう。

錆びやすい

金属系サイディングは、金属を素材として採用しているため錆びる可能性があることもデメリットです。

ただ、ガルバリウム鋼板は錆びに強いとされており、適切にメンテナンスをすればあまり錆びることはないとされています。

とはいえ、金属の鉄粉が飛んできてガルバリウム鋼板に付着し、腐食して錆びになるケースや、ガルバリウム鋼板が傷ついてそこから赤サビが発生するケースなどがあります。

金属系サイディングを採用するときのリフォーム費用の相場


先に解説したとおり、金属系サイディングの全面的なリフォームは、外壁塗装のほか、カバー工法や張り替えが一般的です。

ここでは、カバー工法または張り替えを実施したときの費用相場について見ていきましょう。

カバー工法

カバー工法とは、既存の外壁材を残したまま、新しい外壁材を上から重ね張りするリフォーム方法です。30坪の一般的な住宅でカバー工法を実施した場合、170〜200万円程度がリフォーム費用の相場となります。

外壁塗装は既存の外壁の劣化状態を回復させられるわけではないため、外壁の劣化具合によっては採用できないケースがあります。しかし、カバー工法は外壁材そのものが劣化していても、その上から新たに新しい外壁材を重ねるため、劣化が進んだ状態でも実施しやすいことが特徴です。

ただし、既存の外壁の劣化がそのまま残った状態となるため、深刻な劣化症状には実施できないケースもあり、専門業者にしっかりと調査してもらう必要があります。

さらに、既存の外壁材を撤去・処分する必要がないため張り替えより安価になることが多く、断熱性や遮音性を向上させられるというメリットもあります。

張り替え

外壁の張り替えは、既存の外壁材を撤去し、新しい外壁材を施工するリフォーム方法です。

古い外壁を剥がして内部を補修するといった工程や、外壁の撤去・処分費用などがかかるため、30坪の一般的な住宅で190〜230万円程度の費用がかかるでしょう。

ただし、既存の外壁の劣化状態をリセットできるため、カバー工法が実施できないような深刻な劣化具合にも対応できることがメリットです。

金属系サイディングを選ぶときにチェックするべきポイント


金属系サイディングを採用したいと考えていても、種類が多すぎて悩んでいる方もいるでしょう。

ここでは、金属系サイディングを選ぶときにチェックしたいポイントを解説します。

価格

金属系サイディングを選ぶときは、まず価格をチェックしましょう。

金属系サイディングの平均的な価格は1㎡あたり4,000〜6,000円とされています。そこに工賃などを入れると、安いサイディングで1㎡あたり6,000円、平均的なグレードなら6,000〜9,000円程度、高いもので1㎡あたり12,000円が相場となります。

ただし、1㎡あたり12,000円を超える金属系サイディングは、耐用年数が長い、遮音性に優れているなどのプラスの機能があるかチェックしてください。

なお、工賃を含めて1㎡あたり4,000円以下となる金属系サイディングは安価な部類に入るため、ほかの製品と比較して断熱性や遮音性などが低い可能性があります。

相場を把握したうえで、安さだけでなく、機能面にも注目しましょう。

デザイン

金属系サイディングは、金属の表面加工の技術が進歩していることで、さまざまなデザインのものが増えています。

金属らしいスタイリッシュな見た目のものもあれば、一見、金属系サイディングとはわからないレンガや木目調、コンクリートといったデザインが施されているものもあります。

外壁は住宅の凱一印象となるため、屋根やサッシとのバランスを意識しながら好みのものを選ぶようにしましょう。

耐久性

金属系サイディングを選ぶときは、耐久性の高さも確認すべきポイントです。

たとえば、できるだけ長くきれいな状態を維持したいという場合は、雨水で自然に汚れが落ちるセルフクリーニング機能がついているものがおすすめです。また、汚れの目立ちにくさを意識するなら、グレーやベージュといった色味を選択しましょう。

そのほか、金属系サイディングの種類によって期待できる耐用年数が異なるため、耐用年数の長さにも注目してみてください。

メーカー保証

金属系サイディングを選ぶ際、メーカー保証の内容と期間をチェックしておくのもおすすめです。

金属系サイディングに対して付けられている主な保証は以下の4つです。

名称 年数 内容
変褪色保証 10〜15年 デザインが損なわれるような明らかな変色・色あせ
塗膜保証 10〜15年 表面に施された塗膜の剥がれ・膨れ
穴あき保証 10〜25年 塗膜の劣化や腐食によって、鋼板表面におきた明らかな穴あき
赤さび保証 10年 全体の5%をこえて発生した赤さび

こちらはあくまで一例ですが、製品によって付帯している保証が異なるため、万が一を想定して補償内容にも注目しておきましょう。

金属系サイディングのおすすめ製品3選


最後に、大手の外壁材メーカーの製品から、おすすめの金属系サイディングを紹介します。

アイジー工業:SF-ガルスパン

金属系サイディングのトップメーカーである、アイジー工業の「SF-ガルスパン」は、金属らしいクールなデザインと上品なカラーバリエーションが特徴です。

カラー展開は計12色あるため、住宅のコンセプトやテイストに合わせてお気に入りの色を見つけられます。また、スパン柄のスタイリッシュな見た目にしたい方にもおすすめです。
参考:https://www.igkogyo.co.jp/syohin/detail/spj1.html

旭トステム:プレシャスウッドⅡSF

旭トステムの「プレシャスウッドⅡSF」は、本物のような木目の金属系サイディングです。

板ごとに色ムラを付け、単調に見えない自然な風合いを演出することで、ナチュラルかつ落ち着いた木目をデザインしています。さらに、変褪色15年、赤さび・穴あき10年保証という保証の長さも魅力です。
参考:https://www.asahitostem.co.jp/item/dan/list.php?serid=16&id=175

YKK AP:ラインバーク

YKK APの「ラインバーク」は、ガルバリウム鋼板よりもさらに錆びにくいアルミを使った製品です。

沿岸部や寒冷地など、エリアを問わず採用できるうえに、「クオリティジェット」による美しい表面塗装が特徴です。

さらに、横張り・縦張りの両方に対応できるため、家の雰囲気やデザインに合わせて張り方を選べます。
参考:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/alukaveil

まとめ


今回は、金属系サイディングについて解説しました。

金属系サイディングは、軽量でデザイン性や耐久性に優れており、断熱性や遮音性などの機能性も高い外壁材です。しかし、金属系サイディングといってもさまざまな種類があるため、価格や耐用年数、特徴などを比較しながら、自宅に合うものを選択することが重要です。

ぜひ今回の記事を参考に、新築やリフォームの外壁材選びを進めてみてください。
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