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ガルバリウム鋼板とは?その基本知識とメリット・デメリットを解説!

2021.12.11
「ガルバリウム鋼板」は屋根・外壁材の一つであり、おしゃれでスタイリッシュな見た目が人気です。

しかし、
「自宅にガルバリウム鋼板を採用しているものの、メンテナンス方法がわからない」
「他の外壁材との違いは何?」
など、ガルバリウム鋼板に関する疑問をお持ちの方も多いでしょう。

そこで今回は、ガルバリウム鋼板の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法や注意点などを解説します。

「新築やリフォームでガルバリウム鋼板を採用を検討している」という方はもちろん、「自宅の外壁・屋根材がガルバリウム鋼板なので、メンテナンス方法などを詳しく知りたい」という方もぜひ参考にしてください。

そもそもガルバリウム鋼板とはどのような建材?



ガルバリウム鋼板は1972年にアメリカで製造・販売された金属素材であり、比較的新しい素材ですが、今や多くの建材メーカーが屋根・外壁材に採用しています。


ガルバリウム鋼板はアルミニウム5%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成されているアルミ亜鉛合金メッキ鋼板であり、複数の素材を用いることで、従来の金属素材よりも優れた耐久性を発揮できます。

なお、ガルバリウム鋼板は一般的な名称ではなく、建築用の鋼板メーカーの日鉄住金鋼板会社が販売している商標登録された製品名です。ただし、こちらの記事では、金属屋根や金属サイディングなど、主にガルバリウム鋼板を採用している建材の総称として解説します。
 

ガルバリウム鋼板のメリット

「ガルバリウム鋼板の屋根・外壁にリフォームしたいけれど、どのようなメリットがあるの?」
と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ここでは、ガルバリウム鋼板のメリットを解説します。
 

防水性が高い

ガルバリウム鋼板は防水性が高く、雨や雪などが原因で外壁や屋根がひび割れたり、凍害したりするリスクを軽減できるメリットがあります。

日本の戸建ての外壁材として主流の「窯業系サイディング」と比較しても、ガルバリウム鋼板は吸水性がないため防水性が高く、屋根や外壁の天敵となる雨や雪によって何らかの被害を受けるリスクを抑えられます。
 

軽量で耐震性が高い

瓦やスレートなどの屋根材や、窯業系サイディング、レンガ、タイルといった外壁材など、さまざまな素材と比較して、ガルバリウム鋼板は重量が軽いこともメリットの一つです。

実際に、ガルバリウム鋼板は窯業系サイディングと比較して約4分の1程度の重さしかありません。重量が軽いため、建物にかかる負担を軽減でき、地震が発生したときの揺れも抑えられます。

また、軽量で建物への負担が少ないことから、カバー工法を用いてメンテナンスできることも魅力でしょう。
 

金属が使用されている建材の中では錆びにくい

トタンやアルミニウムなどの素材を用いた建材に代表されるように、「金属素材=錆びやすい」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

しかし、ガルバリウム鋼板は金属素材でありながら、錆びは発生しにくいという特性があります。大手建材メーカーでも、ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材には10年の赤サビ保証を付けているのが標準であり、保証の長さから錆びにくいことがわかります。
 

スタイリッシュでデザイン性が高い

ガルバリウム鋼板はデザイン性が高く、住宅の外観にこだわりたい方にも魅力に感じられるでしょう。

ガルバリウム鋼板を用いた住宅は、スタイリッシュやモダン、都会的、シンプルといった表現が似合う見た目を表現できます。和風の落ち着いた印象ではなく、トレンドを押さえたおしゃれでオリジナリティのある外観を好む方におすすめです。
 

ガルバリウム鋼板のデメリット

 
金属素材でありながら錆びにくい、デザイン性が高いなど、さまざまなメリットのあるガルバリウム鋼板ですが、デメリットも存在します。

では、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
 

錆びないわけではない

先に解説した通り、ガルバリウム鋼板は金属素材の中では錆びにくいですが、全く錆びないとは言い切れません。

そのため、そもそも錆びが発生しない外壁材と比較すると、ガルバリウム鋼板は錆びると言えます。とはいえ、錆びにくい素材であることは間違いないため、過度に心配する必要はなく、定期的にメンテナンスを行えば良い状態を維持できます。

海沿いなど、錆びが発生しやすい地域に住む方は錆びるリスクについて考慮しておきましょう。
 

凹みや傷が発生しやすい

ガルバリウム鋼板は他の外壁材と比べて薄いため、スタイリッシュでモダンな印象を与えられるのですが、一方で凹みや傷が発生しやすいというデメリットがあります。

一般的な住宅に用いられる窯業系サイディングは12〜16mm程度ですが、ガルバリウム鋼板は0.35mmが標準の厚さであり、窯業系サイディングよりも何倍も薄いのです。

「子どもが遊んでボールをぶつける可能性がある」
「凹んだり、傷ついたりするのは絶対に避けたい」
という方は、ガルバリウム鋼板を採用すると後悔する可能性があります。

なお、一般的なガルバリウム鋼板よりも厚みがあったり、凹みにくかったりと機能を持たせているものもあるので、凹みや傷をつけたくないものの、ガルバリウム鋼板にこだわりたい方は、強度の高い製品を探してみるのがおすすめです。
 

価格が高めである

ガルバリウム鋼板を採用する場合、屋根材として主流のスレート、外壁材で最も採用率の高い窯業系サイディングと比較すると、単価が高いことがデメリットとして挙げられます。

たとえば、2つの屋根材(スレート・ガルバリウム鋼板)を比較してみると、スレートの1㎡あたりの単価が5,000〜8,000円であるのに対し、ガルバリウム鋼板は1㎡あたり6,000〜10,000円が相場です。
 
  スレート ガルバリウム鋼板
1㎡あたりの価格 5,000〜8,000円 6,000〜10,000円
メンテナンスサイクル 10年ごと 15年から〜
耐用年数 20〜30年 30〜40年

 

このように、素材の単価を比較すると、ガルバリウム鋼板がやや高額であるといえます。また、窯業系サイディングと比較しても、1㎡あたり1,000〜3,000円ほど高くなる傾向にあります。

ただし、ガルバリウム鋼板は耐用年数が長く、メンテナンスサイクルを抑えられるため、将来的にかかる負担はスレートよりも軽減できる可能性があります。

外壁材におすすめのガルバリウム鋼板を紹介


ここでは、戸建ての外壁材におすすめのガルバリウム鋼板を紹介します。
 

アイジー工業「SF-ビレクト」

「SF-ビレクト」はアイジー工業が製造・販売している金属サイディングであり、表面のなめらかさと美しい水平ラインが特徴的な外壁材です。

断熱材を裏打ちすることで波打ち感を軽減してフラットな仕上がりにしているうえに、金属のスタイリッシュな素材感が際立つカラーラインナップとなっており、モダンな住宅にぴったりでしょう。カラーは全8色あり、住宅のテイストに合わせて選べます。

本体・部材ともに遮熱性フッ素樹脂が塗装されたガルバリウム鋼板を使用しているため、紫外線や雨、風による劣化に強く、塗膜変褪色、赤さび・穴あきに10年保証が付帯しています。
 

旭トステム「Danサイディング カジュアルブリックIIRF」

総合建材・住宅設備メーカーのLIXILのグループ企業である旭トステムが製造・販売している「Danサイディング カジュアルブリックIIRF」は、ガルバリウム鋼板に代表されるスタイリッシュなデザインではなく、アンティーク調のレンガデザインが施されているのが特徴です。

ガルバリウム鋼板の耐久性とデザインの温かみを両立させた外壁材であり、アンティーク調の見た目なので洋風スタイルの家を始め、ヴィンテージスタイルの住宅にも馴染みます。

塗膜変褪色、赤さび・穴あきに10年保証が付帯しているため、耐久性にもこだわりたい方におすすめです。
 

ケイミュー「はる一番アニューシリーズ プレーンシェイプ」

窯業系サイディングのメーカーとしても有名な会社であるケイミューが販売している、遮熱性フッ素を塗装した金属系サイディングが「はる一番アニューシリーズ プレーンシェイプ」です。

金属感のあるスタイリッシュな見た目と、光の加減で緩やかな凹凸ラインが浮き出ることが特徴です。また、横張り・縦張りの両方に対応しており、5色のカラー展開があるので家のテイストに合わせて張り方や色を選べます。

塗膜変褪色、赤さび・穴あきに10年保証が付帯しているため、耐久性も問題ないでしょう。
 

ガルバリウム鋼板の外壁に必要なメンテナンスと費用相場


ガルバリウム鋼板は耐久性が高い建材ですが、メンテナンスが不要というわけではありません。時間が経過するとともに劣化するため、適切なメンテナンスを行わなければ防水性を失ったり、錆びが発生したりする可能性があります。

ここでは、ガルバリウム鋼板を外壁として採用する場合に必要なメンテナンスと費用相場について解説します。
 

洗浄

雨や風などの影響で、ガルバリウム鋼板の表面に汚れが付着するため、定期的に洗浄するのがおすすめです。汚れが蓄積されると、カビや藻の発生につながるうえに、カビや藻は水分を含むので発生したまま放っておくと錆びる原因にもなります。

自分で洗浄する場合、やわらかい布やスポンジに専用洗剤または中性洗剤を含ませてやさしくこすり、水で洗い流してください。洗剤を使わず、水とスポンジだけで洗うことも可能です。ただし、自分で作業する場合は、地面から手の届く範囲で作業するようにしましょう。

手の届かない範囲や、汚れが落ちないといった場合は、業者に依頼すると高圧洗浄機を使って汚れを洗い流してもらえます。

外壁塗装自体が劣化しておらず表面だけに汚れが生じている場合は、メンテナンスとして高圧洗浄のみが行われるケースもありますが、高圧洗浄と外壁塗装は同じタイミングで行われるのが基本なので、外壁の状態によっては外壁塗装もおすすめされる可能性があります。

高圧洗浄の費用は1㎡あたり200〜300円、さらに水道代は1,000〜2,000円ほどかかります。なお、バイオ洗浄など、薬剤を使って行う場合はプラスの費用が必要です。
 

外壁塗装

ガルバリウム鋼板の外壁塗装の効果が薄れており、劣化症状が見られる場合は再塗装が必要です。塗料の種類によりますが、一般的に10〜15年に一度、再塗装を行うのが一般的です。

とはいえ、年数はあくまで目安なので、外壁の劣化症状をチェックして判断するようにしましょう。

「劣化症状が表れているのかわからない」
「外壁の高所や屋根の上などは確認できない」
といった場合は、業者に点検を依頼するのがおすすめです。

なお、外壁塗装の施工期間は2週間程度、40坪2階建ての住宅ならおおよそ90〜140万円が施工費用の相場です。
 

カバー工法

外壁塗装は傷や軽度な錆びなどを補修できますが、劣化が深刻な場合、外壁塗装では補修できません。

そこで、劣化症状が深刻なガルバリウム鋼板の外壁に対しては、「カバー工法」という選択肢があります。カバー工法とは、既存の外壁材を残した状態で、新しい外壁材を重ねて張るメンテナンス方法であり、屋根に対しても施工可能です。

カバー工法は、素材の重量が重いと建物に負担をかけてしまうため、ガルバリウム鋼板などの軽い素材でしか採用できない方法であり、既存の外壁材や屋根材を撤去しない分、張り替え・葺き替えよりも費用を抑えられます。

とはいえ、外壁のカバー工法は30坪の住宅で150万円前後が相場であり、高額な出費になる可能性が高いので、カバー工法が必要になる前にメンテナンスするのがおすすめです。
 

張り替え

外壁の内部まで劣化が進んでいる場合、既存の外壁材を残すカバー工法では根本解決にならないため、今ある外壁材を撤去し、新たに外壁材を施工する「張り替え」がおすすめです。

張り替えなら、外壁塗装やカバー工法でも対処し切れない深刻な劣化に対して施工可能であり、劣化症状をリセットできます。ただし、既存の外壁材を撤去・処分し、新しい外壁材を一から施工するため、200万円前後の高額な費用がかかります。

なお、屋根も同様のリフォームが可能であり、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を施工する方法は「葺き替え」と呼ばれます。
 

ガルバリウム鋼板を屋根材・外壁材に採用するときの注意点


最後に、ガルバリウム鋼板を屋根材や外壁材に採用するときの注意点を見ていきましょう。
 

施工実績が豊富な業者に依頼する

ガルバリウム鋼板は、他の金属と接触させないように注意したり、湿気を通さないため、湿気を逃がすための施工が必要だったりと、屋根材・外壁材として施工するうえで注意しなければならないポイントが多いデリケートな建材です。

そのため、業者側にとっても扱いにくい建材であり、施工や外壁塗装を行うときは専門的な技術や知識が求められます。

リフォームで新たにガルバリウム鋼板を採用したり、外壁塗装を行ったりするときは
「どこの業者に依頼しても変わらないだろう」
と適当に業者選びをするのではなく、ガルバリウム鋼板の知識や施工実績が豊富な信頼できる業者に依頼するようにしましょう。

錆びる前にメンテナンスを行う


ガルバリウム鋼板は錆びにくい素材ですが、決して錆びないわけではありません。

石や物がぶつかったことによって発生した傷で塗装が剥がれ、そこが雨に濡れて錆びてしまったり、近くに置いた自転車などからもらい錆びをしたりすることもあり、錆びが発生したところから、少しづつ拡大してしまいます。

さらに、錆びが進行すると外壁に穴が開いて雨漏りするなどのトラブルになることも少なくありません。

そのため、ガルバリウム鋼板は錆びる前に外壁塗装を行い、強い塗膜を形成して住宅を守ることが大切です。費用がかかるのでつい後回しにしがちですが、適切なタイミングを見極めてメンテナンスを行いましょう。
 

まとめ

今回はガルバリウム鋼板の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法などを解説しました。

ガルバリウム鋼板は、金属素材の屋根材や外壁材の中では錆びにくく、耐久性が高いうえに、スタイリッシュでモダンな見た目の住宅にできることから人気の建材です。

しかし、決して錆びないわけではないことに加え、薄いため傷や凹みが発生しやすいなどのデメリットもあります。また、素材の単価や施工費用が高いため、採用するときの初期費用も高額になりやすいでしょう。

とはいえ、他の素材にはない無機質でモダンな外観を実現できるため、魅力的な屋根材・外壁材であることは間違いありません。

ぜひ今回の記事を参考に、ガルバリウム鋼板の採用やメンテナンス方法を検討してみてください。
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