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水を弾く塗料があるってホント?撥水塗料のメリットとデメリット

2022.03.19

 「撥水(性)塗料」とは、どのような塗料のことをいうのでしょうか。
また同じ水に関する機能を持った塗料には「防水塗料」と「親水塗料」というものがありますが、それらの塗料とは具体的に何が違うのでしょうか。
この記事では撥水塗料の機能やメリットとデメリット、代表的な撥水塗料について詳しく解説します。

撥水性塗料とはどんな塗料? 親水性塗料との違い

撥水(性)塗料とは、塗膜の表面で水滴をはじく機能のある塗料のことをいいます。
車のフロントガラスに撥水材を塗布すると、ある程度のスピードで走れば雨滴がガラス表面から飛んでいくので、ワイパーを使用しなくても走行することができます。
これを「撥水」といいます。
「撥水塗料」とは別に、内部に成分を浸透させて水を弾く性質を建材自体に持たせる「撥水剤」というものがありますが、一部では撥水塗料のことを撥水剤と呼ぶこともあります。

水に関する機能を持った塗料には他に「防水塗料」と「親水塗料」があります。
「防水」とは、水をはじきはしないものの内部に水が入らないようにコーティングする機能のことをいい、「防水塗料」は防水機能が高く雨水の侵入を防ぐ効果があります。
すなわち、「撥水」が表面で水を弾く機能のことを指すのに対して、「防水」は裏側に水を通さない機能のことをいいます。
どちらも似たような機能と思われがちですが、実は全く異なる機能になります。

そして「親水」は「撥水」とは逆に、水をはじかずに表面に馴染ませる機能のことをいいます。
親水性塗料の塗膜表面に付いた水は、玉のような水滴にはならずに、薄く広がって水の膜を作ります。
すなわち水滴の接触角が0度に近い状態を親水性が高いといいます。
降雨の際に雨水が塗膜の表面に広がって、汚れを洗い流す効果(セルフクリーニング効果)のある塗料のことを親水性塗料と呼んでいます。
ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料など様々な種類の塗料の中に親水性の高い塗料があり、近年注目されている光触媒塗料も親水性の高い塗料のひとつです。

一方、撥水塗料が使用されるのは、多くがコンクリート外壁の建物です。
コンクリートの内部には鉄筋が入っているため、その鉄筋に水分を触れさせて腐食させないように、表面に撥水塗料を塗布して水を弾きます。
撥水性塗料のメリットとデメリットについては次章で詳しく紹介します。

撥水性塗料のメリットとデメリット

撥水性塗料は、主に打ちっ放しコンクリートなどを保護するために使用される無色の塗材です。
コンクリートの表面に撥水性塗料を塗布することで、内部に雨水が侵入するのを防ぎ、コンクリート内部の鉄筋をサビから守ります。
また、塗料で塗りつぶしてしまうと意匠性やデザイン性を損なってしまう意匠系サイディングなどを保護するために、無色の撥水性塗料を使用することがあります。
ただし、色あせやひび割れなどの劣化が進行してしまった外壁を撥水性塗料で塗装しても、汚れや劣化が透けて見えたまま残ってしまうので注意が必要です。
撥水性塗料のメリットとデメリットをまとめると次のようになります。



〇撥水性塗料のメリット

・鉄筋コンクリート内部の鉄筋を水から守る
鉄筋コンクリートに水分が浸透し続けると、次第に内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートが割れて剥がれてしまう爆裂現象が発生します。
そうなってしまうと単に見た目が悪くなるばかりでなく、構造強度の面でも支障が生じるようになります。
したがってコンクリートに撥水効果を持たせておくことで、水分をシャットアウトすることができるようになります。

・汚れを防止することができる
水を弾くことができるようになれば、雨や雪に含まれている埃や汚れなども外壁に付着しにくくなり、カビやコケなどの水分を栄養源とする菌類も寄せ付けにくくなります。

〇撥水性塗料のデメリット

・塗料自体に防汚機能がない
撥水塗料自体には汚れを分解したり殺菌したりする防汚機能がある訳ではありません。
汚れにくくなるのはあくまでも水を弾くことの付加価値によるものです。
したがって汚れが付着しにくい状態には一定の持続期間があり、汚れが積み重なってしまうと雨が降っても汚れの上を水滴が転がってしまうようになるため、汚れが落ちにくくなります。
また水を弾くことはできても油や錆び、薬品、排気ガスの影響を受けた汚れなどを弾く力はないので注意が必要です。

・通気性が悪くなる
撥水性塗料で塗装すると、内部で発生した湿気も外に逃げにくくなります。
したがって外壁内部で結露や湿気が発生すると、それらが外に逃げられなくなって防水シートや構造材などの外壁の下地部分を傷めることに繋がる場合があります。
とくに屋外と室内との寒暖差が大きくなる地域では注意が必要です。
また鉄筋コンクリートの住宅では、施工時の水分が経年と共に湿気となって蒸発してくるので、透湿機能を持った撥水性塗料を使用する必要があるといえます。

代表的な撥水性塗料

この章では透湿機能を持った撥水性塗料を紹介します。

〇 ガイソーウォールプロテクトシリーズ マットマックスF
超撥水タイプの水性1液反応硬化形フッ素樹脂系つや消し塗料です。
主用途は建築物の内外壁で、適用下地はコンクリート、モルタル、ALCパネル、PCパネル、窯業系サイディングボード、スレートなどです。
超撥水効果により塗膜に汚れが付着しにくい低汚染タイプで、ナノサイズの細孔を通して建物内部の水蒸気を外部に発散する透湿性があります。
また防カビ、防藻性を備えていて、ラジカル制御された超高耐候性フッ素樹脂により、長期にわたって撥水性を維持します。

〇 ガイソーウォールプロテクトシリーズ マットマックスSi
超撥水タイプの弱溶剤1液反応硬化形シリコン樹脂系つや消し塗料です。
主用途は建築物の内外壁で、適用下地はコンクリート、モルタル、ALCパネル、PCパネル、窯業系サイディングボード、金属サイディングボード、スレートなどですが、柔軟性のある塗膜の為、人の触れる部位は不適とされています。
ビーズコートFと同様に超撥水効果により塗膜に汚れが付着しにくい低汚染タイプで、ナノサイズの細孔を通して建物内部の水蒸気を外部に発散する透湿性があります。

まとめ

撥水性塗料で塗装した表面は水を弾くので、建物の外壁を撥水性塗料で塗装すると水分が建物内部に侵入できなくなります。
したがって鉄筋コンクリート造の住宅の外壁を撥水塗料で塗装すると、鉄筋のサビを抑える効果が期待され、壁面に汚れがつきにくいというメリットがあります。
しかし一方では結露が発生しやすいというデメリットもあるので覚えておきましょう。
撥水性塗料の中にも透湿性の高いタイプがありますが、透湿性を重視する場合には撥水性塗料以外の選択肢もあるので、目的に最も適した塗料を選ぶことが大切です。もちろん選定に迷われた場合は専門の会社にプラン提案を依頼されることをお勧めします。ご自身で迷われるより、何社かにご相談された方がより後悔の少ない塗装リフォームを叶えることができるでしょう。


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