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透湿性のある塗料ってどういうこと?

2022.03.05
近年の塗料の中には、「透湿性の高さ」をアピールする塗料が増えています。
そしてブロック塀などを塗装する際には、透湿性の高い塗料を使用しないと塗膜が膨れる原因になるとよくいわれています。
そもそもブロック塀などの塗膜が膨れてしまうのにはどのような原因があり、透湿性の高い塗料とはどんな塗料のことを言うのでしょうか。
今回は透湿性の高い塗料と塗膜の透湿性の重要性について紹介します。

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透湿性塗料とはどんな塗料?

道路を歩いていると、時々塀の塗膜がところどころ膨れていたり剥がれていたりするのを見かけることがあります。
ほぼ同じ時期に塗装したと思われる外壁には見られない症状なのに、なぜ塀の塗膜だけが膨らんで部分的に剥がれてしまっているのでしょうか。
また同じ塀でも、これらの症状が見られるものと見られないものがあります。
そして塗膜に膨れや剥がれが見られるのは、ブロック塀が多いようです。

塀の中でも鉄筋コンクリートで作られた塀は密度が高くて雨水が浸み込みにくいのに対して、ブロックで作られた塀は表面に無数の小さな穴があり内部にも空間があるため、工事中に雨水を吸い込んで溜め込みやすくなっています。
また塀は地面に接しているため、下からも水分を吸い込んでしまいます。
そのためブロック塀などに浸み込んだ水分が蒸発する際に、塗膜を押し出してしまうことで塗膜に膨れが生じてしまうのです。
したがってブロック塀に合わない塗料で塗装してしまうと、塗膜に膨れや剥がれが起きる可能性が高くなります。

ブロック塀を塗装する際に重要なことは、通気性を維持し、透湿性の高い塗料を選ぶことです。
透湿性とは外部からの水の侵入を防ぎつつ、内部の湿気を外部に逃がす性質のことをいいます。
液体である水と気体である湿気(水蒸気)の粒子では分子の大きさが異なります。
透湿性塗料とはこの分子の大きさの違いを利用して、粒子の小さい湿気を通過させ、かつ粒子の大きい水は遮断するといった機能を持つ塗料のことをいいます。
したがって透湿性が高ければ通気性が良くなり、塗膜の膨れを抑えることができるようになります。
ブロック塀などを塗装する際には、塗料のカタログや塗料缶に「透湿性」と記載されたものを選ぶようにしましょう。

またモルタル外壁や直貼りサイディング外壁(通気工法でないもの)の場合にも透湿性塗料を使うことが不可欠といえます。
直貼りサイディングなどの内部に通気層が設けられていないものを透湿性の低い塗料で塗装してしまうと、湿気の逃げ道が塞がれてしまうので、行き場を失った湿気のために塗膜が膨れてしまいます。
その他軒天井、上裏なども湿気が多いので、透湿性のある塗料を使用することをおすすめします。
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透湿性塗料のメリットとデメリット

この章では透湿性塗料のメリットとデメリットをまとめて紹介したいと思います。

透湿性塗料のメリット
・塗膜の膨れや剥がれが発生しにくくなる
透湿性塗料は、塗膜の内側に溜まった湿気を徐々に抜く働きをするため、塗膜の膨れや剥がれが生じにくくなり、湿気の影響を抑制します。

・建材、構造材の腐蝕や建物の結露を防ぐ
透湿性の高い塗料には、内部結露を防止する効果が期待できます。
そして結果的に建物の構造躯体の腐蝕やシックハウス症候群を防ぐことにも繋がります。

透湿性塗料のデメリット
・透湿性の機能にも限界がある
透湿性の機能がある塗料といっても、全ての湿気を通すことができる訳ではありません。
内部の湿気を逃がして雨水の侵入を防ぐのが理想ですが、透湿性の機能にも限界があります。
そのため結露に悩まされている建物の外壁を透湿性の高い塗料で塗装したからといって、必ずしも結露が発生しなくなる訳ではないので注意が必要です。

透湿性塗料の代表的な商品

透湿性塗料を一言でいうと、雨は通さずに湿気だけを通す塗料といえます。
大手塗料メーカーの代表的な透湿性塗料には次のようなものがあります。

日本ペイント 水性ファインウレタンU100
モルタルやサイディングボード、ALCパネル、コンクリートなどの外壁に塗装することができる水性の1液型透湿性塗料です。
ウレタン樹脂なので比較的安価で、幅広い色相、つや調整が自在(つやありからつや消しまで)なのがメリットです。
一方、耐用年数は7年~10年前後で、比較的短いのがデメリットといえます。

エスケー化研 クリーンマイルドシリコン
モルタルやサイディングボード、ALCパネル、コンクリートをはじめ、様々な下地に適用する弱溶剤系の2液型透湿性塗料です。
弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず優れた密着性を示します。
つやありから3分つやまで対応し、耐用年数は12年~15年前後になります。
クリーンマイルドシリーズには、ほかにウレタン、フッ素もあるので、価格と性能(耐用年数等)に応じて選択することができます。

日本ペイント ファイン4Fセラミック
前述した塗料と同様に、モルタルやサイディングボード、ALCパネルをはじめとする様々な下地に適用する弱溶剤系の2液型透湿性塗料です。
フッ素樹脂塗料なので高級グレードに位置付けられ、つやありから3分つやまで対応しています。
耐用年数は15年~20年と長く費用は高額になりますが、塗り替え回数を抑えることができるため、長期的にみれば建物のメンテナンスコストの低減につながります。

この章では塗料のグレード別にウレタン、シリコン、フッ素の代表的な透湿性塗料を紹介しましたが、透湿性塗料と呼ばれているものには他にも様々な商品があります。
用途や予算に応じて最適なものを選択することが可能です。
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まとめ

外壁塗装の目的のひとつには外部からの雨水の侵入を防ぐ防水の目的がありますが、防水塗料を塗ることで内部の湿気が外に逃げられなくなってしまいます。
その結果、逃げ道を失った水蒸気が塗膜を内側から押し出して、塗膜に膨れが生じる原因になります。
そして湿気が籠ることで次第に結露やカビが発生して、シックハウスの原因になってしまうこともあります。
そこで不可欠になるのが、内部の湿気を逃がす透湿性を併せ持った塗料です。
特に近年では気密性・断熱性の高い家が多いので、塗料には透湿性が欠かせなくなっています。
またブロック塀などを塗装する際にも、透湿性のある塗料を使用しなければ塗膜が膨れて剥がれてしまう原因になります。
そういったリスクを避ける上でも、塗料には透湿性が欠かせないことを知っておくと良いでしょう。

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