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FRP防水のFRPとは?作業手順とメリット、デメリット

2021.11.05

住宅のバルコニー防水に使用されることが多いのがFRP防水です。
バルコニーやベランダにはほとんど屋根の様な勾配がないので排水性が悪く、その上人が歩行するため非常に傷みやすくて雨漏りしやすい場所といえます。
そのためバルコニー、ベランダの床材には高い防水性があるばかりでなく、歩行可能であることが求められます。
そこで本記事では、住宅の防水工事に良く使用されているFRP防水の特徴やメリットとデメリット、施工手順などについてご紹介します。
この工事、わたしの家だといくらかかる?

FRP防水とは?

FRPとは、Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略で、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などにガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックのことをいいます。

プラスチックは防水性があって、軽量でかつ加工が容易なのがメリットですが、建物の構造躯体に使用するには強度が低いのが難点でした。
そこでガラス繊維の様に弾性率の高い材料を複合して、高い強度を実現したものがFRPになります。
FRPは浴槽やユニットバス、プール、浄化槽、小型船舶の船体、自動車の内外装など、身近なところでもよく使われています。
そしてFRPの特徴を活かして防水材として利用し、耐久性の高い防水層としたのがFRP防水です。
出来上がった防水層は継ぎ目のないシームレスな構造になります。
さらにFRP防水では、紫外線や雨風などから防水層の表面を守るため、防水層の上にはトップコートと呼ばれる保護仕上げ材を塗って仕上げます。
軽量でありながら耐久性が高く、小面積の場所に使用すると費用対効果が高くなるので、住宅においてはベランダに最適な防水工法といえます。

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FRP防水のメリットとデメリット

FRP防水には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
メリットとデメリットをよく理解しておくことは、メンテナンス計画を立てる上で非常に重要です。
そこでFRP防水のメリットとデメリットをご紹介します。

〇メリット

・軽量でかつ防水性が高い
FRPは軽量(3~5㎏/㎡程度)なので構造躯体への負担が少なく、地震の際にも建物の揺れを軽減できます。
そのため耐震性に優れているといえ、かつ浴槽やプール、船体などにも使用されるほどの防水性(中に水をためても漏水しない)を備えています。

・衝撃に強い
繊維強化プラスチックのため衝撃に強く、人の歩行にも耐えることができます。
そのため、バルコニー、ベランダの防水材として最適といえます。

・耐候性、耐久性に優れる
薬品にも強く腐食しにくいため、プールや浄化槽、下水道施設などにも良く使われています。

・工期が早い
FRP防水は塗膜の硬化時間が短いため、施工は何度か重ね塗りをしても1~2日前後で終了します。
他の防水工法と比較すると、工期は半分程度です。
ちなみにFRP防水の工期が約1~2日ほどなのに対して、ウレタン防水は約4~5日かかることが多い様です。


〇デメリット

・費用が高い

ウレタン防水やシート防水などの他の防水工法と比較すると、費用が高くなります。
そして施工面積が大きくなるほどその差が大きくなり、費用が2倍ほどになってしまうことがあります。
そのため比較的小面積の場所に適した工法といえます。

・紫外線に弱い

プラスチック素材が使われているので、紫外線に弱いという欠点があります。
したがって基本的に5年に1度は表面の防水層を保護している「トップコート」の塗り替えが必要になります。

・独特の臭い

FRP防水施工中にはシンナーよりも強いといわれるほどの独特の臭いが発生します。
そのため、近隣への配慮が必要になります。

・場所によっては不向きなことがある

FRP防水は伸縮性が低いため、木造の広いバルコニーや鉄骨下地、雨漏りが長く続いた箇所などでは、下地の伸縮に追従できずにひび割れが生じる恐れがあります。
したがって歪みが生じやすい箇所への施工は不向きといえます。

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FRP防水の施工手順と費用

FRP防水工事は、概ね以下の様な手順で施工されます。

①防水面の清掃

防水工事を行う床面や防水層の立ち上がり部分を事前に良く清掃します。
また必要に応じて面木(角に面をとるための細い木)を取り付けます。



②プライマー(下塗り材)塗布

防水層の下地にプライマーを塗布します。
プライマーは接着剤の役割を持ち、下地と防水層の密着性を高めてくれます。


③ポリエステル樹脂の塗布とガラスマットの貼り付け

防水用ポリエステル樹脂の塗布とガラスマット(ガラス繊維)の貼り付けを行います。
樹脂を丁寧に塗り上げていき、ガラスマットを貼り付けますが、その際には脱泡ローラーを用いてマット内にある気泡を除去します。


④トップコートを塗布

ガラスマットを貼り付ける工程とポリエステル樹脂を塗布して硬化させる工程を2~3回繰り返し行い、防水層を形成します。
最後にトップコートを塗って、防水層を保護します。

尚、FRP防水の単価の相場は約7,000~9,000円/㎡で、ウレタン防水は約3,000~7,000円/㎡、塩ビシート防水は3,500~7,500円/㎡程度になります。
したがって間口7.2m×出幅1.2mのバルコニーをFRP防水した場合には、およそ9.5~12.5万円(立ち上がり含む)程が費用の目安で、その他下地の補修や排水ドレイン周りの補強、改修用ドレインの設置等が必要になる場合には追加費用が発生します。
この工事、わたしの家だといくらかかる?

まとめ

FRP防水は他の防水工法と比較して価格が高くなりがちなので、採用するにあたってはFRP防水が持つ軽量で丈夫なメリットを最大限に活かすことができる場所選びが大切です。
住宅の場合には、人の出入りが激しく、比較的使用頻度の高いバルコニー、ベランダへの使用が最もFRPのメリットを活かすことができるといえます。
また、工期も他の防水工法と比較して短くなるので、改修工事の場合にも便利です。
そして防水層が軽量の為、木造建築物の防水工事には適していると言えるでしょう。
特にオーバーハング(跳ねだし)バルコニーの場合には最適です。
初期費用は高めでも、非常にコストパフォーマンスが良いことがメリットといえますが、一方では定期的なトップコートの塗り直しが必要になることを覚えておきましょう。


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